「えっ…クルマが動かない!?」 夏はトラブルの代表「バッテリー上がり」に注意! まさかの事態を“未然に防ぐ”方法とは
くるまのニュース / 2023年7月25日 20時10分
普段はあまり意識することのないクルマの「バッテリー」ですが、蓄えられている電気が切れてしまうとエンジンもかけられなくなくなってしまいます。そんな絶対に避けたいトラブル「バッテリー上がり」を未然に防ぐために、原因や対処方法を紹介します。
■知らなかった!「バッテリー」の仕組みとは
クルマに搭載されている「バッテリー」は、普段はあまり意識することのないパーツのひとつですが、このバッテリーの電気が切れてしまうと車内の各部品に電気を供給することができなくなり、クルマのエンジンがかからなくなってしまいます。
そうなると、他車から電気を供給してもらったり、ロードサービスに救援を求めないかぎりは移動もできません。
そんな絶対に避けたいトラブルの代表「バッテリー上がり」を未然に防ぐためにも、それを引き起こす原因や対処方法について確認しておきましょう。
クルマの中には電気を必要とする様々な部品が存在します。
例えばエンジンを始動させる際に働く「セルモーター」のほか、「ヘッドライト」「ルームランプ」「オーディオ」「ナビゲーション」「エアコンをはじめとした送風システム」などが挙げられ、これらに電力を供給している大本がバッテリーとなります。
クルマは、走行中していたりエンジンが動いている間は「オルタネーター」という発電機で電気が作られており、その電気がバッテリーに蓄電されます。
そのため、エンジンが動いている最中にバッテリー内の電気が切れることは基本的にはありません。
しかし何らかの原因で蓄電されなくなったり、夏の暑さに対処しようとエアコンをハイパワーで使用したりと、発電量を上回るような大量の電気が使用されると、バッテリー上がりを起こしてしまいます。
また、ガソリン車のみならず電気自動車(EV)も、搭載している大量のバッテリーによって電子部品の制御をおこなっているため、バッテリーが上がってしまうと動かせなくなってしまう点は同じです。
では、一体どのようなことが原因でバッテリー上がりは起きてしまうのでしょうか。自動車販売店の整備員に話を聞いたところ、以下のような回答がありました。
「バッテリー上がりの原因としてとくに多いのが、『エンジンをかけていない状態で、電気を使いすぎてしまうこと』です。
それには、『ヘッドライト』や『ルームランプ』の消し忘れも該当します。
基本的に、エンジンが動いている間はオルタネーターで発電した電気は常にバッテリーに送られているため、バッテリー内の電気が切れるということはありません。
しかし逆に、エンジンが動いていないとオルタネーターも止まってしまうので電気は全く作られず、この状態で大量の電気を使うと当然バッテリーの電気は減り続け、やがて無くなってしまうのです」(自動車販売店の整備員)
このように、駐車場にクルマを停めた際、エンジンを切ったもののヘッドライトやルームランプを消し忘れたり、半ドアでルームランプがずっと点灯していると、どんどん電気が使用され続けてしまい、短時間ならまだしも長時間となるとバッテリーが上がってしまうということでした。
そのほか、エンジンがかかる手前までクルマのカギを回したり、ブレーキを踏まずにエンジンスタートスイッチを押すなどすると、クルマはエンジンがかからずに電源だけが入った状態になります。
この状態のクルマは、エアコンやオーディオを通常通りに使用することができるのですが、電気は消費される一方のため、やがてバッテリーが上がってしまったというケースも少なくないといいます。
このように、意外と「ちょっとしたこと」が原因でバッテリー上がりは起こってしまうようです。
■「バッテリー」自体に問題があるケースも
さらに、クルマの取り扱いが誤っていなくても、バッテリーそのものに原因があるためにバッテリー上がりが起きることも考えられます。
それが「バッテリーの劣化」です。
バッテリーの状態や劣化具合は定期的にチェックしよう
一見永続的に使用できそうにも見えるバッテリーですが、その寿命はおおむね3年と言われており、使用するにつれて蓄えられる電気の量が少なくなってしまいます。
そして「使える電気量」が少ないということは、電気使用量が蓄電量を上回りやすくなり、どこかのタイミングでバッテリー上がりが起きてしまう可能性が高いのです。
また、「長い期間乗られていないクルマ」もバッテリー上がりを起こしやすい状態です。
バッテリーには「自己(自然)放電」と呼ばれる性質があり、使っていない間も蓄えた電気は少しずつ減少していきます。
これは定期的にクルマに乗っていれば走行時にバッテリーが充電されるので、それほど気にする必要はありません。
しかし、長い期間乗っていないようなクルマでは、バッテリーの放電がどんどん進み、やがてはエンジンをかけることも出来なくなってしまうのです。
このようなバッテリーの劣化具合の点検は、ガソリンスタンドやカー用品店でも手軽に行うことが可能です。蓄電可能な量が減っているようであれば、早めに新品のバッテリーに交換することをおすすめします。
※ ※ ※
自宅や契約している駐車場であればまだしも、出先でバッテリー上がりを起こしてしまうと救助が来るまで行動不能になってしまい、予定が大幅に狂うだけでなく余計な出費が必要になるかもしれません。
万が一の事態を避けるためにも、バッテリー上がりの原因となりえる行動をしないよう注意しましょう。
また、ヘッドライトやルームランプの消し忘れがないか、クルマから離れる際にはしっかりチェックしたり、バッテリーの状態や劣化具合を定期的にチェックして、いつでも安心して運転できるように備えておきたいですね。
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