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なぜ「無断駐車」は勝手に対処出来ない? 「自力救済禁止」って…可能な予防法は? 過去には認められた例も!

くるまのニュース / 2023年8月7日 9時10分

自分の駐車場に知らないクルマが無断駐車していた場合、勝手に動かすといった「自力救済」は原則禁止されています。では、これまでに自力救済が認められたケースはあるのでしょうか。

■無断駐車されても勝手に動かすと…罰則対象になる?

 自分の駐車場に知らないクルマが無断駐車していた場合、勝手に動かすといった「自力救済」は原則禁止されています。
  
 では、これまでに自力救済が認められたケースはあるのでしょうか。

 SNSなどで度々話題となる私有地や契約駐車場などにおける無断駐車トラブル。
 
 2022年1月末には神奈川県横浜市の横浜地方裁判所(横浜地裁)の庁舎出口前に数日間にわたって、1台のクルマが放置されていたことが話題となりました。

 無断駐車は、たまたま駐車区画を間違えている、駐車できる場所と思い込んでいるなど故意ではないケースもあります。

 しかし中には「ちょっとくらいの時間ならバレない」「普段クルマが駐車されていないから大丈夫だろう」というように無断駐車と知りながら停めているケースも散見されます。

 無断駐車をされた側は、自分のクルマが駐車できないため急遽コインパーキングを探す羽目になったり、そのせいで余計なお金がかかったりと非常に腹立たしい思いをします。

 しかし残念ながら、被害者が無断駐車のクルマをレッカー移動する、損害賠償を支払わせるためにタイヤをロックして動かせなくするといった「自力救済」は原則禁止されているのが現状です。

 では、これまでに自力救済が認められたケースはあるのでしょうか。

 そもそも自力救済は自救行為ともいい、法律上の手続きをとらずに、自分で侵害された権利や被害の回復を図ることをいいます。

 具体例としては前述のレッカー移動やタイヤロックのほか、盗まれた自転車を街で見つけて自分で持って帰る行為などが挙げられます。

 勝手にレッカー移動やタイヤロックをすると、逆に無断駐車をしたドライバーからクルマの損傷や使用できなくなったことについての損害賠償を請求されるおそれがあるため、注意しなければいけません。

 現在の法律では被害を受けた側に不利といえる内容で到底納得できませんが、自力救済を認めてしまうと個人が暴力行為によって権利を回復するなど、社会秩序が乱れる可能性があるため、きちんと法的な手続きをとる必要があるのです。

 自力救済の禁止に関しては、1965年(昭和40年)12月7日の最高裁判所判決で以下のように述べられています。

「私力の行使は、原則として法の禁止するところであるが、法律に定める手続によったのでは、権利に対する違法な侵害に対抗して現状を維持することが不可能又は著しく困難であると認められる緊急やむを得ない特別の事情が存する場合においてのみ、その必要の限度を超えない範囲内で、例外的に許されるものと解することを妨げない」

 つまり、よほどの事情がなければ基本的には自力救済が認められないということです。

■基本的には自力救済が認められないが…過去には認められた例があった?

 ただし過去には自力救済が認められた事例として、1988年(昭和63年)2月4日の横浜地方裁判所判決があります。

 この事例は、とあるマンションの前にクルマが3か月間継続して駐車されており、住人が再三にわたって移動するよう求めたにもかかわらず所有者がクルマを移動させなかったため、住人がクルマを処分したというものです。

 所有者がクルマの処分を違法として損害賠償請求の訴えを起こしましたが、裁判所は住人に「やむを得ない特別な事情」があったとして請求を認めませんでした。

 長期間の無断駐車に加え、再三の督促にも応じなかったという事情などが考慮されたものとみられます。

 これはあくまで例外的な事例であるため、実際に無断駐車があった場合は、まずクルマのナンバーや車種、駐車状況を記録。

 そのほか、張り紙をして警告する、最寄りの警察に相談することなどを検討しましょう。

 張り紙に関しては、クルマに傷がつかないように粘着力の強くないテープを使用するか、ワイパーに挟むなどの対応をとるのが良いでしょう。

無断駐車されたらまずは張り紙などで警告することが良い?無断駐車されたらまずは張り紙などで警告することが良い?

 また基本的に駐車場での無断駐車に対して警察がレッカーなどの強制的措置はとれないものの、都道府県警察によっては所有者に連絡をして移動をうながしてもらえるケースがあります。

 確実ではないものの、方法の一つとして検討してみると良いでしょう。

※ ※ ※

 自分の駐車区画や土地に無断駐車をされても、原則レッカーやタイヤロックなどの自力救済はできません。

 現状は駐車区画にコーンやポールを立てるなど、無断駐車を未然に防ぐ対策が重要といえるでしょう。

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