なぜ!? 最近じわじわ増えている「4ナンバー軽」の謎! 軽商用バンを個人で買う「メリット」とは
くるまのニュース / 2023年8月28日 7時10分
軽自動車の需要が年々増えているなか、昨今は4ナンバー軽のニューモデルも増えています。乗用5ナンバーの軽と比べどういったメリットがあるのか解説します。
■広い荷室に加え税制面などでもメリットが多い4ナンバー「軽商用車」
2021年12月にフルモデルチェンジしたダイハツの軽自動車「アトレー」は、先代までの5ナンバー(乗用ワゴン仕様)から、4ナンバー(商用バン仕様)になったことがSNSなどで話題となりました。
一般的な5ナンバーの軽乗用車と比べて、4ナンバーの軽商用車登録にはどういったメリットがあるのでしょうか。
2022年8月に登場したスズキの「スペーシアベース」も4ナンバー仕様となるなど(ベースのスペーシアは5ナンバー)と、近年4ナンバー軽のラインナップがじわじわと増えています。
4ナンバー車とは、ナンバープレートの上段に刻印されている分類番号が「4」から始まるものを指します。
例えば「相模588」ならば5ナンバー車、「相模433」ならば4ナンバー車で、4ナンバー車の主な条件としては、以下が挙げられます。
—
・「長さ4.70m、幅1.70m、高さ2.00m、排気量2000cc」以下(ディーゼル車は排気量制限なし)
・荷物を載せるスペースの床面積は1平方メートル以上あること(軽自動車の場合は0.6平方メートル以上)
・座席部分より荷物を載せるスペースの方が広いこと
(※なお軽自動車には独自の軽規格のサイズが定められているため、上記の外形寸法や排気量は該当しません)
—
他にも細かなルールはありますが、具体的には、広い荷室を備えた商用のバンやトラックなどが該当します。
これらの4ナンバー車は、主に「仕事に使うクルマ」という前提で、毎年支払う税金などが5ナンバー車よりも低めに設定され優遇されています。
例えば市区町村に納める軽自動車税(種別割)は、5ナンバー軽が1万800円のところ、4ナンバー軽だと5000円と、約5000円も安くなります。
新規検査から13年が経過したクルマだとさらにその差は広がり、5ナンバー軽の1万2900円に対して、4ナンバー軽だと6000円となります。
なお、国に納める自動車重量税は、4ナンバー軽、5ナンバー軽ともに年あたり3300円です。
これは、新車購入と車検(継続検査)時に、車検証の有効期間分を納付しますので、初回の車検が2年後になる4ナンバー軽の方が、最初に支払う金額(4ナンバー軽6600円、5ナンバー軽9900円)は少なく済みます。
このように軽商用車には多くのメリットが設定されているのです。
■軽商用車を選ぶ際の「デメリット」とは
とはいえ、軽商用車であることは必ずしもメリットばかりではありません。
軽商用車の広い荷室空間を、貨物の積載以外に活用する個人ユーザーも増えているといいます[写真は2022年8月に誕生したスズキの軽商用車「スペーシアベース」での活用例]
軽商用車は「仕事に使うクルマ」として使用頻度が多くなることを想定されています。
したがって、クルマが保安基準に適合しているかを確認する車検(自動車検査登録制度)の頻度も、5ナンバーの軽よりも早いタイミングでやってきます。
具体的には、5ナンバー軽の初回車検は3年後ですが、4ナンバー軽は2年ごととなります(ちなみに登録車の4ナンバー車の場合には、毎年の車検が定められています)。
さらに4ナンバー軽の2列目シート(後席)の多くは、折りたたんでの使用が想定されているため、簡素な座席設計となっています。
荷室空間を重視し2列目シートは不要と考えているのなら、簡素な設計は合理的であるといえますが、座り心地の面では期待できません。
ただし最新鋭のアトレーや「ハイゼットカーゴ」の上位モデルの後席には、大きなヘッドレストが付く左右独立タイプのシートが備わるなど、4名乗車の用途も考慮した軽商用車もあります。
※ ※ ※
かつての軽商用車といえば、簡素な装備の仕様が主流でしたが、近年のニューモデルでは、乗用車同等の先進運転支援機能や快適機能も備わり、高性能なターボエンジンを搭載するモデルも増えています。
また最新のアトレーやスペーシアベースが4ナンバーとなった背景には、乗用タイプに比べ広い荷室に荷物をたくさん積んで、キャンプや車中泊でアウトドアへ出かける、といった個人ユーザーの需要が伸びていることも大きな理由であるとメーカーは説明しています。
こうした使い方でクルマを楽しみたい人にとっては、税金面や荷室空間の広さでメリットのある4ナンバー軽は、良い選択肢となっているようです。
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