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なぜ最近「カクカクしたクルマ」増えてきた? 曲線には無い魅力がある? 今後のデザイントレンドとは

くるまのニュース / 2023年9月10日 9時10分

カクカクした直線的なデザインを持つクルマがいくつか登場しています。今後さらにそうしたクルマが増えていくと予想されますが、そこにはどんな理由があるのでしょうか。

■直線的なデザインのクルマが増えてきた納得の理由

 曲線を活かした流麗なデザインのクルマが主流の昨今ですが、最近では直線的なデザインを持つクルマもいくつか登場しています。
 
 今後さらにそうしたクルマが増えていくと予想されますが、そこにはどんな理由があるのでしょうか。

 1990年代以前のクルマを見ると、現代よりも角ばったシルエットのものが多いことがわかります。

 その最大の理由は、当時は技術やコストの面から現代のような流麗なデザインのクルマを大量生産するのが難しかったことにあります。

 一方、その後技術が進歩したことによって、トヨタ「エスティマ」や「プリウス」のような曲線を活かしたデザインのクルマが登場し、多くのユーザーから「近未来的」という評価を得ることに成功しました。

 しかし、近年では直線的なデザインが回帰しつつあるように感じます。

 たとえば、トヨタ「ランドクルーザー250」やホンダ「ステップワゴン」や「N-BOX カスタム」は、直線を活かしたデザインが特徴です。

 また、日本導入の予定はありませんが、2023年に7月に世界初公開されたヒョンデ「サンタフェ」は、それまでの流麗なボディラインから直線基調のシルエットへと大胆に生まれ変わり、多くの人々を驚かせています。

 もちろん、これらのモデルが直線的なデザインを採用する理由はそれぞれです。

 ただ、筆者は今後こうしたデザインがひとつのトレンドになるのではないかと予想しています。

 クルマのデザインに直線を採用することによるメリットは少なくありません。

 ひとつは、物理的に大きなスペースをとることができるという点です。

 たとえば、軽ハイトワゴンやミニバンのような居住性が求められるモデルでは、限られたボディサイズのなかで最大限の居住性を実現するために直線的なデザインが採用されることがほとんどです。

 同様に、SUVでも居住性を重視するモデルでは直線基調のデザインを採用するケースが見られます。

 また、曲線を活かした流麗なデザインが多いなかでは、直線的なデザインはかえって新鮮に映り、先進的な印象を与えることができるという点もあります。

 ヒョンデはこの点をうまく活用し、上述したサンタフェのほか、BEVの「アイオニック5」などで直線的なデザインを採用しています。

 また、いわゆる「タフ系」のSUVでは、直線基調のデザインを採用することでより無骨な印象を与えられるというメリットもあります。

■クルマの電動化によって直線基調のデザインがさらに進む?

 一方、筆者が直線的なデザインがトレンドとなると考える背景には、自動車業界が直面しているより大きなトレンドが関係しています。

 それは、電動化です。

 現在の自動車業界を見ると、ほとんどの自動車メーカーは遅かれ早かれ電動化が避けられません。

 それがBEVであるのかPHEVやHEV、あるいはFCEVであるのかは今後の動向次第ですが、少なくとも純ガソリンエンジン車の比率が下がっていくことは確実です。

 簡単に言えば、そのような現状のなかで自動車メーカーが求められているのは、より燃費性能の高いクルマをつくることです。

 すでに技術が成熟している純ガソリンエンジン車の場合には、さらなる燃費向上を図るためには空力性能の改善や車体の軽量化といった技術に頼らなければなりません。そうなると、曲線基調のデザインが有利になります。

 しかし、BEVやFCEVの場合、そもそも走行時にガソリンを使用することがありません。

 PHEVやHEVも、より大容量かつ高性能なバッテリーを搭載することにより、大幅な燃費改善を図ることが可能です。

 そうなると、必ずしも純ガソリンエンジン車のように空力性能の改善や車体の軽量化に頼る必要はなく、むしろより大容量のバッテリーを搭載することが可能な直線的なデザインを採用するメリットが大きくなります。

カクカクを極めたテスラ「サイバートラック」カクカクを極めたテスラ「サイバートラック」

 この点を極限まで突き詰めたのが、テスラ「サイバートラック」です。

 ほぼ直線だけで構成された斬新なデザインを持つサイバートラックは、そのデザインを活かして大型のバッテリーを搭載することで必要十分以上の航続距離を担保しています。

 また、サイバートラックは直線的なデザインを採用することで近未来的なイメージを演出しているほか、複雑な成型技術を必要としないことから、コストの削減にも貢献していると言います。

 もちろん、電動化されたクルマであっても、スポーティなイメージを持たせたいモデルや、極限まで燃費/電費性能を高めたいモデルでは、これまでどおり曲線的なデザインを採用すると考えられます。

 ただ、電動化が進めば進むほど、直線的なデザインを採用するメリットも増えることから、そうしたデザインを持つクルマがさらに増えていくことでしょう。

※ ※ ※

 クルマのデザインの変遷は、開発・生産技術の変遷でもあります。つまり、開発・生産技術が進歩すれば、必然的にクルマのデザインも大きく変わることになります。

 たとえば、将来完全自動運転が実現すると、クルマは移動のための乗り物という役割が強くなり、そのデザインは居住性を重視したボックス型のデザインになると言われています。

 そうなると、現代のような曲線的なデザインを持つクルマが希少となり、さらには「レトロ」という言葉で表されるようになるかもしれません。

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