日産「新型SUV」初公開! 斬新「ド派手ピンク」&「超ワイドボディ」採用! タフ顔の「新エクストレイル」実車展示
くるまのニュース / 2024年1月29日 16時40分
「東京オートサロン2024」に日産が出展したカスタムカー「エクストレイル クローラー コンセプト」は、ベース車の都会的なイメージをくつがえすハードなスタイルに大変身し来場者を驚かせていました。どのような狙いでカスタマイズしたのでしょうか。
■狙いは「先祖返り」!? 先代までの「タフギア」イメージを再び!
2024年1月12日から14日まで開催された「東京オートサロン2024」に日産が出展したカスタムカー「X-TRAIL CRAWLER CONCEPT(エクストレイル クローラー コンセプト)」は、都会的で洗練された大人のSUVというイメージの現行「エクストレイル」が一変、荒々しくタフなオフローダーへと大改造されていました。
このコンセプトカーにはいったいどんな狙いがあるのか、日産の担当者に話を聞きました。
現行型である4代目(T33型)エクストレイルが国内で発売となったのは、2022年7月25日のこと。
日産独自のハイブリッドシステム「e-POWER」の爽快な走りや、4WD統括制御「e-4ORCE」によるコーナリング性能と悪路走破性の高さが人気のクロスオーバーSUVです。
日本市場ではe-POWERのみですが、中国や北米市場などではガソリンターボエンジンモデルなども存在しており、グローバルでも人気があります。
今回東京オートサロン2024に出展されたエクストレイル クローラー コンセプトは、この現行型エクストレイルをベースとするコンセプトカーです。
日産自動車 グローバルアフターセールス商品開発アクセサリー企画部の森 武寛氏に話を伺ったところ、今回の出展にあたっては、「エクストレイルの本質とは何か」を考え直すところから検討を始めたといいます。
「初代(T30型)や2代目(T31型)時代のエクストレイルは、いまよりもオフロードを訴求していました。
3代目(T32型)以降、世間の流行に乗ってアーバンSUVに方向性を変えていったことで、販売台数は増えていきましたが、かつてのお客様から『乗り換えるクルマがないよ』といわれることが多くなりました。
オフロード走行の性能は、新型T33のほうがむしろ(荒々しいイメージの歴代よりも)大幅に向上して進化を遂げているのですが、かつてのエクストレイルが持っていたタフなイメージが薄れてしまったことで、嘆かれるオーナーさんはかなり多いようです」
そこで今回の出展車両では、都会的イメージとは対極にあるオフロードテイストに全振りしてみよう、ということになったとのこと。
しかも、キャンプ場や雪山程度のオフロードではなく、ゴツゴツした岩山や崖のような場面を走破する「ロッククローリング」マシンを目標とし、現行型エクストレイルをベースにどこまでつくり込めるのか、チャレンジしたといいます。
サスペンションは前後共に、ストロークを多めに確保するために総入れ替えをしており、前は6インチ(約15cm)、後ろは4インチ(約10cm)ほどリフトアップさせています。
現行型エクストレイルはもともとやや前下がりの姿勢であるため、岩山を登る際にノーズ下をすらないよう、フロントサスを多めに持ち上げて、地面と水平になるような姿勢にしているのがポイントだとか。
フロア下を守るため、車両の前後とサイドにアンダーガードを装着したほか、クローリング用の超大径タイヤを4輪に装着し、そのタイヤを覆うような大型オーバーフェンダーを装着。
さらには、跳ね石によるボディへのダメージを防ぐため、フロントバンパーやフェンダー、車体下側にはチッピング塗装がされています。
■2代目エクストレイルの荷室にあっためちゃ便利な「引き出し」も再現!
鮮やかな蛍光グリーンが映える室内には、ラゲッジにスペアタイヤとエスケープラダー(砂地や泥にはまった際にタイヤ下に挟んで脱出するための板)を積載しています。
ラゲッジ下部分の引き出しは、2代目エクストレイルに設定のあった便利なアイテム「引き出し式ウォッシャブルラゲッジアンダートレイ」を再現したといいます。
ちなみに引き出しの中もしっかりチッピング塗装がされています。
日産「X-TRAIL CRAWLER CONCEPT(エクストレイル クローラー コンセプト)」
「タイヤメーカーさんやカスタムを得意とするパーツメーカーさんも、エクストレイルを上手く改造していただいていますが、自動車メーカー自らができる限りのオフロードカスタムを施すとここまで行きつけるのかを示したかった、というのが、このエクストレイル クローラー コンセプトの狙いです。
担当したカラーデザイナーも、普段は絶対に選ばないピンクをボディカラーのベースに選び、その対極にあるグリーンを組み合わせるといったチャレンジもしました」(森氏)
このコンセプトカーを通して、ユーザーがどういった部分に驚いたり喜んでくれるのかといった反響を集め、商品化も狙っていくというから楽しみです。
※ ※ ※
ちなみに展示車は、超大径タイヤのためフロントタイヤが幅広過ぎてハンドルを切ることができないらしく、さすがにこのままの姿で登場することは考えにくいところ。
そんな現実的な話はともあれ、こうした楽しすぎる提案を自動車メーカーが自らしてくれることは、ユーザーとしても大いに共感できます。
これまで築いたエクストレイルのイメージをぶち壊し、日産が純正品質で考える本格オフロードテイストのカスタムパーツ登場を、今後大いに期待したいです。
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