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急増する「変な形のウィンカー」なぜOK? 形状や光り方は法律でどう決まっているのか 「細長い」「点滅じゃなく流れるタイプ」も許されるワケ

くるまのニュース / 2024年2月28日 9時10分

 近年ではシャープなデザインのウィンカーを採用するモデルが増えています。そこにはどのような理由があるのでしょうか。また、どんどん進化するウィンカーのデザインですが、その形状や光り方などについて法規制はあるのでしょうか。

■シャープなデザインのウィンカーが増えた理由

 ウィンカーは、道路運送車両法によって公道を走るすべてのクルマに搭載が義務付けられている、最重要保安部品のひとつです。

 一方でエクステリアデザインにおけるアクセントとしての役割も担っており、形状や配置に工夫をこらしたモデルが多く見られます。

 特に、近年ではシャープなデザインのウィンカーが主流となっています。かつては「長方形」もしくは「円形」が主流だったウィンカーの形状は、なぜ変化したのでしょうか?

 ウィンカーの形状にもっとも大きな影響を与えたのは「LEDの普及」と言われています。

「電球」を筐体内で反射させる構造が主流となっていたウィンカーに対し、LEDを採用するモデルが見られるようになったのは2000年代後半のことです。

 ただ、当時のLEDは電球と比べてコストが高く、品質も不安定であったことなどから、ウィンカーにLEDを採用するのは一部のモデルに限られていました。

 しかし、2010年代中頃にはそうしたデメリットは徐々に解消され、消費電力が少なく燃費向上に貢献することや、デザインの自由度が高いことなどといったLEDの持つメリットが注目されるようになりました。

 さらに、近年のLEDはより小さな光源で安定した光量を持つため、細長いシャープなデザインであっても必要十分な光量を担保することが可能です。

 また、LEDウィンカーは電子制御によってさまざまな点灯方法が可能であるため、いわゆる「流れるウィンカー」と呼ばれる「シーケンシャル・ウィンカー」や、マツダが採用している、同社いわく「パッと光って、ジワッと消える」スタイルの「ディミング・ターン・シグナル」など、より近未来的なウィンカーを持つモデルも登場しています。

 その結果、現在では、コストパフォーマンスを最重要視する一部のモデルをのぞき、多くのモデルでLEDウィンカーが採用されており、こうした流れは今後も続くと見られています。

■ウィンカーのデザインに規制はある?

 ただ、シャープなデザインのLEDウィンカーに対して「デザインを優先させた結果、自車の進行方向を周囲に知らせるという、ウィンカーの本来の役割を損なっているのでは」という指摘も見られます。

 そもそも、ウィンカーのデザインに対する規制は存在するのでしょうか?

 道路運送車両法では第137条に、ウィンカー(方向指示器)についての要件が定められています。そこには「方向指示器は、方向の指示を表示する方向100mの位置から、昼間において点灯を確認できるものであり、かつ、その照射光線は、他の交通を妨げないものであること」と規定されています。

 また、光源は15W以上60W以下、照明部の面積は20平方cm以上でなければならず、さらに規定の範囲内から視認できるものである必要もあります。

 なお、これらは乗用車の前後ウィンカーにおける規定であり、乗用車以外の車両や、サイドミラーウィンカーなどの補助的なウィンカーに対しては、別途さまざまな要件が規定されています。

 このように、最重要保安部品であるウィンカーに対しては、非常に厳格な規制が設けられているのです。

 一方、ウィンカーの「形状」について具体的に規定しているものはありません。そのため、一定の光量と面積を備えており、なおかつ規定の範囲内から視認することができれば、その形状については長方形や円形はもちろん、極端にシャープなものであってもかまわないということになります。

 たとえば、日産「アリア」ではヘッドライトに沿った線状のフロントウィンカーを採用しています。ウィンカーの幅はわずか数cm程度ですが、その全長は50cmほどとなっているため「20平方cm以上」という規定はじゅうぶん満たしています。

 同様に、トヨタ「クラウン クロスオーバー」や「アルファード」といった、非常にシャープなデザインのウィンカーを採用しているモデルも、すべてこの規定を満たしています。

 LEDを活用したシャープなデザインのウィンカーは「先進的なイメージ」を与えるといったメリットがあることから、今後多くのモデルで採用されるとみられます。

 その一方で、シャープなデザインのウィンカーが増えれば増えるほど、逆に「目新しさ」は薄れてしまいます。厳格な規制を満たしつつ、ライバルとは異なる「さらに新鮮なデザイン」のウィンカーを提案することが今後の課題と言えそうです。

※ ※ ※

 近年では、非LEDウィンカーをLED化したり、点滅タイプだったウィンカーをシーケンシャル化(=流れるウィンカー化)したりするカスタムも見られます。

 注意すべきは、上述のとおり、ウィンカーに関する規制は非常に厳格であるため、じゅうぶんな知識と技術がないままカスタムをしてしまうと、道路運送車両法違反に問われる可能性もあります。

 ウィンカーをカスタムする際には、信頼できるショップに依頼するなど、細心の注意を払うことが重要です。

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