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クルマの中でも「トコジラミ」は繁殖する? 環境によっては「吸血」の恐れも! 生態から見た正しい「対処方法」とは

くるまのニュース / 2024年3月13日 9時10分

日本各地での発見が相次いでいる害虫「トコジラミ」。吸血によって皮膚に痒みや湿疹などを引き起こすトコジラミは、クルマのシートなど車内で繁殖する可能性はあるのでしょうか。

■「トコジラミ」は車内に繁殖・蔓延する?

 近年日本各地で発見が相次いでいる害虫「トコジラミ」。
 
 2024年3月10日には、SNS上に「電車の座席でトコジラミを見つけた」という内容が投稿され、大きく話題にもなりました。
 
 吸血によって皮膚に痒みや湿疹などを発生させるこのトコジラミですが、クルマのシートなど車内で繁殖・まん延する可能性はあるのでしょうか。

 厚生労働省が公式サイトに掲示している情報によると、トコジラミとは、一般には「南京虫」という通称でも呼ばれ、基本的に熱帯地方に分布するものの、日本でも港湾地域などで見られる昆虫です。

「○○シラミ」と名付けられていますが、髪の毛などに住み着いて吸血する「シラミ」とは全く異なる昆虫で、セミやカメムシに近い種に属し、触れるとカメムシと同じように不快な臭いも発します。

 幼虫の体長は1.3mm前後、成虫の大きさは5mmから8mmで、卵から成虫までの期間は約40日。数回の脱皮を経て成虫になります。

 寿命は長く飢餓にも強い性質を持ち、20度では18ヶ月、10度以下の環境においては2年近く生存した例も確認されています。

 またトコジラミの栄養源は血液のみ。皮脂を食べることはなく、人間のみならず犬や猫、ネズミや鳥からも吸血し、その際に体内に唾液が注入されるため、それに対するアレルギー反応が生じ、皮疹や痒みを引き起こします。

 現在のところ感染症の媒介に関する報告はないといいますが、その一方で多量の血液を吸うことから、潰した際などに血液を介して肝炎やエイズなどを感染させる可能性があるのではないかという疑いも持たれています。

 活動が活発になるのは暖かい夏ですが、冬でも暖房など暖かい環境であれば活動は可能で、メスは一生の間に500個ほどの卵を産むといいます。

 近年、世界的にその生息域が拡大している原因は主に“海外旅行者の荷物への付着”といわれており、衣類やスーツケースに混入してホテルを中継しつつ各自の自宅へと持ち込まれています。

 実際に、海外ではホテルやブランド品店などでトコジラミが発生し、休業せざるを得なくなるなど、大きな被害を及ぼす事態も発生しました。

 日本ではコロナウイルスの感染リスクが減り、外国人観光客の数が以前のレベル近くまで戻ってきていることもあって、こうした観光客に付着したトコジラミが国内で増殖しているといいます。

 そんなトコジラミですが、クルマの車内で繁殖・蔓延することは考えられるのでしょうか。

■車内で繁殖する? 万が一の際の「対処方法」とは

 結論を先に言えば、通常の使用方法においては、クルマの中でトコジラミが繁殖することは考えにくいといえます。
 
 その理由としては、トコジラミが夜行性であることと、吸血対象から大きく離れて潜むことが無いという点が挙げられます。

万が一の際の「対処方法」とは(※画像はイメージ)万が一の際の「対処方法」とは(※画像はイメージ)

 まず、トコジラミの活動時間帯は基本的に夜間であり、昼間は畳の隙間や家具の内部、マットレスやソファーの下、コンセントの内部、段ボールの内部などに潜んでいます。

 そして暗くなると這い出してきて、生物の呼気に含まれる炭酸ガスなどを頼りに吸血源にたどり着き、吸血活動を行うのです。

 そのため、夜間にトコジラミを衣類に付けたままクルマを運転して車内に“移住”させてしまったり、車中泊を頻繁に行なわないような状況にない限りは、車内で吸血される機会は少なくなります。

 さらにトコジラミは低温や高温に弱いという特性があり、-1.5度では40日程度で死亡、逆に50度といった高温の中では30分ほどで死亡します(データにより差異あり)。

 つまり冬は日本の寒い地域では生き残れず、夏は野外に駐車しておけば車内が熱せられて生き残ることは難しいと考えられるのです。

 しかし逆に言えば、春や秋の暖かい季節や、断熱されたガレージにクルマを保管しているような状況では、トコジラミが車内で生存可能ともいえます。

 少ない可能性とはいえ、クルマを運転した後に痒みと赤い湿疹など吸血されたような症状が出た場合は、家の中だけでなくクルマにもトコジラミがいないかを確認する必要があります。

 車内のトコジラミの存在を「本体の発見」以外の方法で確認するには、「シートの生地にトコジラミの糞の跡が残っていないか」「トコジラミが脱皮した際の抜け殻があるか」「黄色い小さな卵があるか」などが挙げられますが、どれも小さな特徴のため害虫駆除のプロでもない素人が見つけることは困難。

 しかしそれでも、クルマの運転後に吸血されたような跡が何度もできる場合は、疑って探してみる必要があるでしょう。

 そして駆除するには、先述のように車内を極端に寒くするか、あるいは暑くすることが簡単です。

 これからの季節であれば、暑い日に直射日光の当たる環境にクルマを数時間駐車していれば、車内が非常に熱くなり、トコジラミを駆除できる可能性があります。

 また、車内を高温のスチーム洗浄することも、トコジラミの駆除には有効といいます。

 トコジラミが隙間に隠れていても、高温の蒸気であれば置くまで入り込み、100度近くであれば数秒で死亡します。

※ ※ ※

 このように、クルマの中でトコジラミが繁殖する可能性は高くないため、あまりデリケートになる必要はありませんが、万が一の際には駆除などの対応を行う必要があります。

 また、もし駆除するとなってもDIYでの対応には限界がありますので、いよいよ車内にトコジラミがいる疑いが高まった場合には、プロに対処を依頼することをお勧めします。

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