1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ

ブリヂストン新「レグノ GR-XIII」はどう進化した? 乗ってわかった“令和時代のプレミアムタイヤ”の方向性とは

くるまのニュース / 2024年3月30日 19時10分

ブリヂストンのプレミアム・コンフォートタイヤブランド「レグノ」が、新商品の「GR-XIII」に進化しました。タイヤサイズは15インチから20インチまで、35シリーズから65シリーズまでの全51サイズが用意され、さまざまな車種に対応します。今回は、ブリヂストンのテストコースで「GR-XIII」を試走した様子をリポートします。

■静粛性が大幅向上 車内はすこぶる快適

 ブリヂストンのプレミアム・コンフォートタイヤ「レグノ」が大きな進化を遂げ、新たに「GR-XIII (ジーアール クロススリー)」として登場しました。

 いまから40年以上前、1981年に誕生した初代レグノ「GR-01」は、スポーツタイヤとは別次元の静けさと乗り心地の良さを売りにしていました。

 プレミアムタイヤとしての歴史をつくったレグノは、もちろん今でもラグジュアリーカーに最適なタイヤとして広く認知されています。

 今回登場した新型レグノ GR-XIIIは、タイヤに求められる価値の変化に合わせて、基本設計から大きく変え、さらなる高みを目指したといいます。

 具体的にはタイヤの軽量化、転がり抵抗の低減、資源生産性向上、高耐摩耗性能、耐久性能、大型化、高インチ化、狭幅化などEV化の推進により要求度が高まっています。

 ENLITEN(エンライトン)と呼ばれる商品設計基盤技術は今後、ブリヂストンの新タイヤ発表の場で多く聞かれるようになるでしょう。

 エンライトンとは従来のタイヤ性能を向上させた上で、極端に表現するとタイヤに求められる多様な性能をユーザーごと、モビリティごとにカスタマイズするという考え方です。タイヤの各性能を示すレーダーチャートでいえば、全体を大きくしながらも求められる性能はエッジを効かせるように特徴付けできるようにするテクノロジーだといいます。

 今回は、BSPG(テストコース)と近隣の一般道、高速道路で新レグノ GR-XIIIを試乗できたので、そのインプレッションをお伝えします。

 テストコース内では、レクサス「ES300h」で粗いアスファルト舗装や段差のある道を40km/hと60km/hで走りましたが、まろやかな印象で車内はすこぶる快適でした。

 試験データを見ると、レグノの先代モデル(GR-XII)に比べて荒れた路面で気になる低周波のロードノイズは12%も低減しています。

 静粛性に関しては、スムーズなアスファルト路面で気になるパターンノイズが8%低減しているといいます。さらに突起乗り越し時のタイヤの上下軸力のテストでは、10%も衝撃を低減しているというデータでした。

 こうした計測データと実際に乗った印象はピッタリと合っていました。

■タイヤの軽量化が走りにも効いている

 一般道ではトヨタ「プリウス(HEV)」とBMW「i4(BEV)」を運転しました。

 舗装が荒れた路面でも直接的なショックは伝わってくることなく、軽くいなしている感じがあります。段差でも衝撃は小さく、これまでのレグノと比べても明確に良くなっているのがわかります。

 パターンノイズなどが完全に消えているわけではないのですが、かなり静かになっていました。特にBEVの場合はエンジン音がしないため、静かなタイヤは大歓迎です。

「レグノ GR-XIII」を履いてテストコース内のスラロームを中速で走行するメルセデス・ベンツ「EQE」「レグノ GR-XIII」を履いてテストコース内のスラロームを中速で走行するメルセデス・ベンツ「EQE」

 乗った印象では、タイヤが軽くなり、エンベロープ(トレッド面のたわみ)しやすくなっていますが、実際にタイヤ重量は4本で4kgほど、つまりタイヤ1本で1kgも軽くなっているといいます。これは画期的なことだと思います。

 タイヤの軽量化は快適性向上にも効果がありますし、ハンドリングでも走りの性能は向上します。

 さらに低燃費性能とウエット性能は両者高いレベルに達しています。

 低燃費タイヤのグレーディングでは転がり抵抗「AA」が29サイズ、「A」が24サイズになり、ウエット性能に関しては全サイズ「a」を獲得しているから優秀です。

 ハンドリング面は、一般道ではもちろんまったく問題ありませんが、テストコース内で思い切り走ることができる機会だったのでチェックしてみました。

 メルセデス・ベンツ「EQE」での中速でのスラロームでは、従来品のGR-XIIと比較して、格段にグリップアップしていることを実感しました。

 ハンドルを切っていったときの応答性が明確に良くなり、大舵角(だかく)でもよくついていきます。さらにフロントが食い込んでくるだけでなく、リアもしっかりと踏ん張ってくれるので安定性が高くなりました。ちょっとやそっとではグリップは破綻しないので、多くのドライバーが安心して乗れるでしょう。

 ただしまったく欠点がないわけではありません。一般道でもテストコース内でも直進時の微小操舵の反応がクルマによりバラついていたのが気になりました。

 BMW i4ではニュートラル感がやや曖昧な感じになり、速く大きめの操舵、とは言っても車線内の動きで応答遅れを感じることがありました。このあたり、手応えとともにピシッと決まってくると、運転する楽しさも増すと感じます。

 いずれにしろブリヂストンの製品開発は、エンライトン技術により次のステージに上がりやすくなりました。これはゴムを極める、接地を極める、モノづくりを極める、サステナブル化をいち早く推進という大きな流れに乗ることができるからです。

 このエンライトン技術により、ブリヂストンのタイヤが今後どこまで成長していくか、楽しみです。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください