ホンダ「高級ミニバン」が復活! 「めちゃ豪華」だけど「めちゃ機能的」!? デビュー30周年の「オデッセイ」最新版どう「変わった」?
くるまのニュース / 2024年7月28日 14時10分
ホンダの上級ミニバン「オデッセイ」は、2023年冬に商品改良を行い、一時休止していた販売を再開しました。最新版オデッセイはどのようなクルマなのでしょう。その「使い勝手」について紹介します。
■1994年デビューから30周年! 5代目はどんなクルマになった!?
多人数乗車で移動するプライベートな空間として、また、多彩なシートアレンジを駆使して荷物をたくさん運べるミニバンは、日本人ならではのきめ細やかな配慮が行き届いたクルマづくりで、いまや世界の様々な市場で受けいれられています。
そこで今回は、2023年冬に商品改良を行って販売を再開したホンダの上級ミニバン「オデッセイ」の“使い勝手”に迫ります。
初代オデッセイはホンダの「クリエイティブ・ムーバー」として、1994年に登場。中型セダン「アコード」のプラットフォームを応用して作られたミニバンとして、たちまち大ヒットを遂げました。
その後、2004年に最上位ミニバンとして「エリシオン」がホンダのラインナップに加わったことに関連して、前年の2003年にフルモデルチェンジした3代目オデッセイは、機械式駐車場に収まる全高1550mm以下のワゴン的なシルエットに変貌。2008年登場の4代目も、同様のレイアウトを継承しています。
その後エリシオンは生産中止になり、2013年に登場した5代目(現行型)オデッセイは再び背が高い姿に戻っていったのです。
5代目オデッセイは2017年、2020年とマイナーチェンジが行われていましたが、2021年の狭山工場閉鎖の影響で日本での生産をストップ。
2023年に改良されたモデルは生産工場を中国に移管し、再び日本へ輸入されている状況です。
2023年に新登場した最新版オデッセイはガソリンエンジン車を廃止して、全車ハイブリッド車の「e:HEV(イーエイチイーブイ)」のFFに1本化。
エクステリアは、超低床プラットフォームが実現した低く伸びやかなシルエットが特徴です。
フロントまわりはメッキの面積を減らしてフロントグリルが大型化したほか、ブラッククロームメッキをあしらったブラックエディションを設定するなど、ちょっぴりワルなイメージが迫力を感じさせます。
ボディカラーはホワイト、ブラック、グレー系の4色を設定することで、ホンダのフラッグシップミニバンとしての存在感をいっそう際立たせています。
■最新オデッセイの「後席」は「さらに豪華に」「さらに使いやすく」!
オデッセイの室内は、単にゆとりの空間を与えるのではなく、3列シートの7人乗りで前列から2人+2人(左右独立のキャプテンシート)+3人の構成を活かした上質でくつろげる空間を提供してくれます。
インパネ周りはシンプルでスッキリとしたディテールでありながら、助手席正面には広い面積をもつ木目調のフラットパネルがあしらわれていてモダンな印象。
カーナビのディスプレイは10インチの大画面が選べることで、先進感を漂わせています。
シフトレバーがボタン式にかわりすっきり感を増したインパネまわり
ホンダのハイブリッドカーらしく、指先で操作できる押しボタン式シフトセレクターはインパネの壁面に設置。
収納装備も充実させていて、助手席側はグローブボックスのほかに、木目調パネルの蓋を開けるとティッシュボックスをしまっておけるスペースが。
引き出し式のインパネドリンクホルダーのほかに、手前に引くと斜め上に迫り出すセンターコンソールリフトアップトレーを用意。ちょっとした小物が置ける場所があるのは便利です。
またオプションとして、スマホのワイヤレス充電器をつけることも可能です。
オデッセイの後席は、電動開閉式のスライドドアで乗り降りすることができます。
改良前は、手のひらのジェスチャーでドアを開けることができるというユニークなセンサーが採用されていましたが、その機能は廃止。代わりにスマホで操作できる「ホンダコネクト」のアプリを活用して、施錠/解錠、スライドドアの開閉、乗り込む前にエアコンを設定できたりと、リモートで操作できるようになりました。
ミニバンというと、広大なスペースにフォーカスされがちですが、オデッセイは単に広さをウリにしているのではなく、2+2+3で構成される3列シート7人乗りのパッケージでくつろげる空間を提供しているのがポイント。
ベーシック仕様となる「e:HEV ABSOLUTE」には上質な肌触りのプライムスムースとファブテクトと呼ばれる撥水・撥油効果が見込める素材を組み合わせたコンビネーションシートを採用。
一方で、上位グレードの「e:HEV ABSOLUTE・EX」には本革シートが標準装備されました。
2列目は両側アームレスト付き4ウェイパワーシートが採用されています。
リクライニング機構のほか、ふくらはぎを支えるオットマン付きのもので、乗員の身体を優しい感触で受け止めてくれます。
左右の座席間にはドリンクホルダー付きの高級感のある折りたたみ式テーブルを設置。使わない時に畳んでおけば、1列目から3列目までウォークスルーできます。
ちなみに2列目のキャプテンシートは、各々に2.5AのUSB充電口(タイプC)とシートヒーターがついています。
それぞれ独立して前後スライドしますが、シートレールは2つ並列に引かれていて、シート脇のレバーを引きながら、内側のレールに座席をスライドさせると、超ロングスライドが可能に。
膝回りに広々としたスペースが出現して、シートをリクライニングしてくつろげる様はまるで飛行機のビジネスクラスのよう。
■「くるりんぱ」と床下に収まるだけじゃない! 3列目アレンジも多彩だった!
その一方で、3列目の3人掛け席はリクライニングができるほか、沢山荷物を載せたいときは背もたれを3分割式でアレンジできます。
たとえば左右寄りの席に2人が座り、中央席だけ倒してスキー板のような長尺物を車内に積むことも可能です。
3列目シートは床下に完全収納! 見た目以上に高い実用性を誇るホンダ「オデッセイ」
3列目をたたむ際は、背もたれを前方に倒して紐を引くと、座面ごとグルリと回転しながら、床下に収まる画期的な構造。
畳んだ3列目は荷室に張り出さず床下に格納されるため、広大な荷室には幅が広い荷物を積みやすいメリットも。
3列目シートを壁面に跳ね上げてアレンジするタイプの一般的なミニバンと比べると、運転席からの死角が少なく直接的な視界を確保できるので、安全運転にも貢献してくれるはずです。
ガソリンタンクの設置場所は、後輪後ろのサードシート下あたりになるのが一般的ですが、現行型オデッセイは2列目シート下に薄型化して配置する超低床レイアウトを大きな特徴としています。
このレイアウトによってリアまわりの設計に自由度が生まれることから、床から天井までの室内高をしっかり確保しながら、低全高・低重心で設計できる強みがあります。
※ ※ ※
迫力あるスタイリングに快適に過ごせて、機能的に使い倒せるスペースユーティリティが備わっている最新型オデッセイ。
ライバルたちが簡単に真似することのできない魅力を持ち合わせていることで、今なお魅力的に映る一台なのです。
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