全長4.3m級! ホンダ 新型「コンパクト”ミニバン”」発表! めちゃ小さい「フリード」で“大人2人”寝られる!? 余裕で「車中泊」可能な“すごい仕様”とは
くるまのニュース / 2024年8月3日 17時10分
ホンダはコンパクトミニバンの新型「フリード」を2024年6月28日に発売しました。「AIR(エアー)」と「CROSSTAR(クロスター)」の2タイプが設定されますが、なかでもとくに「車中泊」に向いた仕様について紹介します。
■2つの3列シート車に加え2列・5人乗り仕様もある新型「フリード」
ホンダは2024年6月28日、8年ぶりにフルモデルチェンジを実施したコンパクトミニバンの3代目 新型「フリード」を発売しました。
全長4.3m級と極めて小さなサイズですが、大人2名でも「車中泊」ができる仕様があるといいます。どのようなモデルなのでしょうか。
2002年登場の「モビリオ」で、扱いやすい小型サイズの中に、3列・7人掛けが可能な効率的なミニバンのパッケージングを実現させたホンダは、その後継車として2008年にフリード(初代)を発表しました。
後席スライドドアを備えたコンパクトな3列シートという基本コンセプトはそのままに、室内空間をさらに拡大して使い勝手も向上したことで、ファミリーユーザーを中心に絶大な人気を集めました。
いっぽう、モビリオの時代から2列シート・5人乗り仕様もラインナップされており、荷室の使い勝手を重視するユーザーから支持されています。
2016年には2代目にバトンタッチ。2019年のマイナーチェンジ時には、SUVテイストを加えたクロスオーバースタイルの「フリード CROSSTAR(クロスター)」を追加しています。
こうした幅広い選択肢を用意したことも奏功し、モデル末期まで新車販売ランキングの上位に位置する人気モデルとして君臨し続けました。
そして今回、8年ぶりに全面刷新された3代目の新型フリードは、ユーザーのライフスタイルに合わせた2つのタイプを設定したのが大きな特徴です。
ひとつは、子育て層向けのファミリーカーとして魅力を高めた「フリード AIR(エアー)」で、もうひとつは先代で追加されたフリード クロスターです。
従来あったベースグレードはなく、エアーは標準タイプと上級仕様「EX」というグレード構成とし、クロスターはEX相当の装備レベルを持つ単グレードとされました。
シンプルなスタイルを持つ新型フリード エアーのボディサイズは、全長4310mm×全幅1695mm×全高1755mm、ホイールベース2740mmで、先代フリードとほぼ同等です。
アウトドアにも似合う力強さをプラスしたデザインの新型フリード クロスターは、フェンダーのワイド化により車幅が25mm拡大し1720mmとなったため、3ナンバー車となります。
パワートレインはともに、新設定の2モーターハイブリッド「e:HEV(イーエイチイーブイ)」と、1.5リッターDOHC i-VTECガソリンエンジンの2タイプで、FF(前輪駆動)と4WDがそれぞれ設定されます。
■新型「フリード」にはメーカー公認の「車中泊仕様」があった!?
先代に比べ、室内空間の広さや使い勝手をさらに向上させたという新型フリードのシートレイアウトは3タイプ。
2列目に左右独立式のキャプテンシートを備え、前後でウォークスルー可能な2+2+2の6人乗り仕様を基本に、2列目を6:4分割式の3人掛けとした7人乗りを設定するほか、クロスターにのみ、2+3の2列・5人乗り仕様も設定します。
新型「フリード」2列・5人乗り車の「おやすみモード」なら男性2名が寝転がっても十分に余裕だった!
3列シート車では、2列目席のひざまわりを30mm拡大。3列目席は先代同様の左右跳ね上げ式で、座り心地を維持しながら薄型化と軽量化を図り、跳ね上げ位置も下げたことで、荷室の使い勝手を向上させています。
2列・5人乗り車は荷室を壁面から床面まで、すべて専用に設計し直しています。
その結果、3列シート車よりもさらに低床なフロアとなりました。
壁面にはフックなどが自由に装着できるユーティリティサイドパネルを備えるほか、上下2段の収納が可能なフロアボードも装備され、荷室の空間効率をさらに高めています。
このフロアボードと、後席のダブルフォールダウン機構(座面を前倒ししたうえで背もたれを倒せる機能)と組み合わせると、ほぼフラットで広大な荷室フロアが出来上がります。
この空間は、近年広がりをみせている「車中泊」ユーザーからも大いに注目されています。
前席シートを前倒しして荷室フロアを最大限まで拡大すれば、約1800mm以上の荷室長が確保でき、最大で約1200mmの荷室幅とあわせ、大人2名の就寝も可能となるからです。
ホンダでもカタログ上でこの状態を「おやすみモード」と表記しており、メーカー公認の車中泊仕様といえます。
実際に身長180cmの筆者(くるまのニュース編集部T)が寝転んでみたところ、ワンボックスタイプの商用バンにも見劣りしない空間が広がっており、全長4.3m級のコンパクトなクルマとは思えないほどの余裕に驚かされました。
床面の傾斜もほとんどなく、キャンプ用のマットなどを敷いて補正すれば、もう「“ほぼ”キャンピングカー」と言っても良いでしょう。
またフロアボードの下にも広い荷室空間があるのも、実は大きなポイントです。
実際に一度でも車中泊をしたことがある人ならわかるはずですが、寝床をつくるため、積んだ荷物をもう一度移動するのは、地味ぃに面倒な手間だったりします。
もちろん3列シート車も、座席を倒し前後シートでつなげば2名程度の「仮眠」は可能ですが、2列・5人乗り車の“おやすみモード”を前にしてしまうと、もはや比較対象にはなりません。
気になる人は、販売店で2列・5人乗り車の実車をチェックしてみることをオススメします。
新型「フリード クロスター スロープ」には自動でけん引してくれる電動ウインチも備わるので重いカートも余裕で積み込めます
※ ※ ※
ホンダでは、この新型フリード2列・5人乗り車の広大な空間を活用した福祉車両「フリード クロスター スロープ」を新設定しました。
電動ウインチと大型スロープを後部に備え、乗車定員は車いす1名を含む計6名。車いすの乗員用のリアクーラーとリアヒーターダクトも備えるなど、快適性にも配慮した仕様です。
ホンダではこのスロープなどの優れた使い勝手を、アウトドアユーザーにも活用して欲しいとしています。
アウトドアレジャーで常に大きな荷物を積載するユーザーなどにとっても嬉しい機能といえ、通常モデル同様に注目したいところです。
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