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調子こいて壁に激突!? なぜ「イキリダッシュ」は多発する? SNSで動画相次ぐ… 事故した人に話を聞いてみた

くるまのニュース / 2024年8月24日 19時10分

アクセル全開で急加速をして排気音の大きさや加速性能のすごさを誇示する「無駄で危険な急加速」を目的とした行為をSNSを中心に「イキリダッシュ」と呼んでいます。最近ではイキリダッシュによる事故も相次いでいます。

■大黒PAで「イキリダッシュ」はなぜ起こる? そもそも

 近年、SNSなどで目にする機会が増えた「イキリダッシュ」という言葉。

 これは何を意味しているのでしょうか。

 頻繁にみられる場所はカーイベント終了後、会場を出た後の直線道路やSAPAの出口から本線に合流するまでの直線道路です。

 いずれもその様子を動画に撮ろうとスマホを構えているギャラリーが多く集まっている場所でもあります。

 アクセル全開で急加速をして排気音の大きさや加速性能のすごさを誇示する「無駄で危険な急加速」を目的とした行為です。

 運転技術が未熟なドライバーががむしゃらにアクセルを全開にしてコントロールを失い、立て直す暇もスキルもなくガードレールや縁石などにクルマをぶつけてしまう事故も多発しています。

 コンビニの駐車場に突っ込んでけが人が出たケースもありました。

 イベント会場の出口で事故って人身事故になろうものなら翌年からその会場はイベント用に貸してくれなくなる可能性も大きく多くの人々に迷惑をかける結果となってしまうのです。

 今や世界中のクルマ好きが集まる首都高速の休憩施設「大黒PA」ですが、ほぼ毎週末発生しているのが大黒PA出口での「イキリダッシュ事故」です。

 出口から約150mのストレートで発生していますが、ストレートを過ぎた先の緩い左カーブの先で止まってしまったクルマもたまに見かけます。

 この「失敗」の中にはコントロールを失って立て直しができず、縁石やガードレールに激突してしまう事故や接触はしないまでもエンジン自体を壊してしまうケースなどが含まれます。

 後続車にはまったく影響がない場合もありますが、どちらかに寄せることができず道路をふさぐような形で止まってしまい後続車に多大な迷惑となるケースも少なくありません。

 イキリダッシュをしようとアクセル全開にする場所は大黒PAに入ってくるクルマと出ていくクルマを撮影しようとするギャラリーが多く集まる場所でもあります。(※歩行者立入禁止の場所での大変危険な行為なので首都高速ではこのような撮影行為を禁止しています)

 首都高速本線に向かって加速していく区間のため、アクセル全開で加速するクルマもがたくさんいます。

 カメラを構えたギャラリーがたくさんいるため、「カッコいい加速を見せてやろう」「爆音の排気音を聞かせてやろう」という気持ちが高まり、ドライバー自身も興奮状態となるのか、この場所で、「イキリダッシュ」をしてしまうのです。

 そのままスムーズに本線合流まで行けばまだしも、スタート直後で失敗するクルマも数多くいます。

 危険なことはもちろん、クルマへのダメージも大きく、動画が広く拡散されとても恥ずかしい思いもしていることでしょう。

 実際に目立つカスタムカーでイキリダッシュをしようとして縁石にぶつけて破損させてしまったBさんは以下のように話しました。

「海外から来た友人が同乗していたこともあって、ついやってしまいました。

 寒い時期の夜間、大黒PAに2時間くらい駐車して帰るところでした。

 エンジンもタイヤも全く温まっていない状態で急加速をしたことも理由だと思います。

 FR車だったので静止状態からのアクセル全開でコントロールを失い縁石にぶつかってしまいました。

 非常に目立つクルマだったので多くの人が動画を撮影していてそれがSNSで拡散されてしまいました。

 すぐに邪魔にならない場所に移動させました。幸いにも怪我や他のクルマとの接触はありませんでした。2度とイキリダッシュはしません」

※ ※ ※

 また、筆者がテレビ番組の取材で大黒PAを訪れていたときにもイキリダッシュからの衝突を目の当たりにしました。

 この時のクルマは「Yナンバー(米軍関係者の個人所有車両)」をつけた国産セダンです。

 ぶつけた直後に運転席の男性と助手席の女性が出て来て何やら口論をしているように見えました。

 間もなくして大黒PA内の首都高パトロールカー(黄色いランドクルーザー)が駆け付けて事故処理を始めました。

■イキリダッシュするのは高級スポーツカーが多い?

 イキリダッシュをしているクルマの中ではとくに高級スポーツカーが目立っていると言います。

 なぜ高級スポーツカーでのイキリダッシュが多いのでしょうか。

 レース関係のエキスパートであるAさんは以下のように話してくれました。

「イキリダッシュでコントロールできなくなり衝突事故を起こすような人はどんなに高級なスポーツカーに乗っていてもクルマの基本がわかっていない人達です。

 滑り出してからの立て直しも到底無理です。よほどドリフトかラリーでもやり込まないとできません。

 サーキットレースにおいても、立て直さなくて良い進入姿勢を作ってスタートしますから。ラリーは出口で調整、サーキットは入り口で調整します。

 イキらないことが1番ですが、1度はサーキットを体験しクルマの脆さを知ることも大切です。

 サーキットじゃなくてジムカーナで十分なので、止まれない、曲がれないこととスピード域の関係を体験してみることをお勧めします。

 自動車学校ではせいぜい急ブレーキ教えてくれるかどうかですから、普通に生きてたら誰も教えてくれませんから」

いまや走り屋の聖地から…世界的な観光名所になった「大黒PA」 (撮影:加藤博人)いまや走り屋の聖地から…世界的な観光名所になった「大黒PA」 (撮影:加藤博人)

 またとくに注意すべき高級スポーツカーはあるのでしょうか。前出のAさんは以下のように話しています。

「とくにCUP2などサーキット用タイヤを履いているようなスポーツカーは絶対にイキってはダメです。

 一般的なタイヤは70度位でグリップがなくなりますが、サーキット用タイヤは70度~100度で本領を発揮します。

 なので、その分、温度が低いとグリップしないのです。ブレーキも同様です。

 サーキット用パッドは800度程度まで耐えられる物が多いですが、こちらも逆に低温域では効かなくなります。(なので耐熱パッドは車検に通りません)

 サーキット走行を目的とした911GT3やフェラーリ、マクラーレンなどのスポーツモデルは、もともとタイヤ、ブレーキのパフォーマンス域が温度高めに設定されています。

 低温ではパフォーマンスを発揮できない物がほとんどで『止まらない』『曲がらない』が発生します。

 ウォームアップもしないで大黒PA出口でイキるのは事故って当たり前ですね」

※ ※ ※

 ところで、かつてイキリダッシュで有名になった「辰巳PA」はその後どうなっているのでしょうか。

 事情に詳しい関係者によると、こちらは2023年1月に通称「ジャンプ台」(本来の目的は減速帯)が設置されて以降、イキリダッシュは激減しているとのことでした。

 首都高の違法行為といえば時速200km以上で走行するルーレット族も大問題ですが、PA出口のイキリダッシュも危険で恥ずかしい迷惑行為です。

 本線に合流するまでは安全な速度で加速していきましょう。

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