マツダの「ロータリー」何がスゴイ? 他メーカーがマネしない「夢のエンジン」!? 守り続ける理由とは
くるまのニュース / 2024年9月1日 20時10分
マツダの大きな資産のひとつに“ロータリーエンジン”があります。なぜマツダは他社にはないこのエンジンを守り続けるのでしょうか。ロータリーエンジンの歴史から振り返ります。
■マツダの「ロータリーエンジン」何がスゴイ?
マツダの大きな資産のひとつに“ロータリーエンジン”があります。なぜマツダは他社にはないこのエンジンを守り続け、現在でも「MX-30」に発電用エンジンとして搭載するまでのこだわりを持っているのでしょうか。
そもそもロータリーエンジンの仕組みから話を始めましょう。実はロータリーエンジンにはいくつもの種類があるのですが、ここではマツダが採用しているヴァンケル式ロータリーエンジンに特化して説明します。
三角形のおむすび型をした回転子(ローター)が回転することにより発生するエネルギーを利用したエンジンのことをロータリーエンジンと呼びます。
そのエンジンの構成は大きく2つ。まゆの形をしたハウジングとその内側にあるおむすび型のローターです。
ハウジングとローターとの間にできた空間に、燃料と空気を混ぜた混合気を吸入、ローターが回転するとその隙間が圧縮されて、そこで爆発、そして隙間ができたところで排気という仕組みです。
そこで力を発生させ、それによりローターが回転します。ですからローターが1回転する間に3回爆発を起こすことができる、つまり通常のエンジンがピストン2往復する工程を、ローターが1回転でできてしまうのです。
当然効率的であり、部品もそれだけ少なくて済みますからサイズも小さく、軽量化にもつながりますので様々なメーカーが注目していました。
その歴史は1960年前後、ドイツ(当時は西ドイツ)のフェリクス・ヴァンケル博士がNSU(のちにアウディ等と合併)開発し、多くの特許を取得していました。
構造がシンプルで小型・軽量・高い静粛性かつ高出力を特長とするロータリーエンジンは、夢のエンジンといわれ、多くの自動車メーカーが注目しており、マツダも“会社が生き残るためには独自の技術が必要だ”と考え、他社に先駆けて、そのロータリーエンジンの実用化を目指し、NSUらと技術提携を結び開発に着手します。
しかし、ローター内の気密性を確保するために三角形の頂点に取り付けられた「アペックスシール」が、まゆ型のローターハウジングの内面を擦りながら高速で回転するため、内面が傷だらけになってしまうのです。
それが「悪魔の爪痕」と呼ばれる「チャターマーク」でした。それをマツダは克服し、1967年に「コスモスポーツ」が誕生したのです。その後、国内外の排出ガス規制もクリアし生き続けることになるのです。
小見出し:実用化に至らなかった他メーカー
ではなぜマツダ以外の自動車メーカーは、ロータリーエンジンを実用化しなかったのでしょうか。
実は日本では日産が、海外でもメルセデスベンツなどが実用化に向けて開発に取り組んでました。最初に市販化されたのは、NSUの「ヴァンケルスパイダー」で、その後「RO80」というサルーンも生産しました。
しかし、耐久性、例えばオーバーヒートなどに大きな問題を抱えていたこともあり、失敗作といわれてしまいました。
日産やメルセデスも、熱問題や耐久性、その後の排ガス規制やオイルショックなどのため、燃費の良くないロータリーの開発を中止してしまったのです。
その中でもマツダは2012年に「RX-8」の生産が終了するまで続けられました。その後も、細々とではありますが開発を続け、その結果としてMX-30の発電用としてロータリーエンジンが復活するに至るのです。
※ ※ ※
なぜそこまでマツダはロータリーにこだわるのでしょう。大きな要因のひとつは、未だに新入社員の中でもロータリーエンジンをやりたいからという志望理由で入社する人たちがいることです。
その背景には様々な苦難を乗り越えまさにマツダスピリットがそこに感じられるからでしょう。
マツダは第二次世界大戦時、原爆投下された広島が発祥の地であり今も本社があります。その原爆で大きな被害にあったにもかかわらず、広島の街とともにマツダ(当時は東洋工業)は復活していきました。
マツダはその後も何度も倒産の危機にあいながらも復活します。きっとその復活にロータリーエンジンを重ね合わせているのではないでしょうか。
外部リンク
- 【画像】超カッコイイ!”ロータリー搭載”のマツダ「和製スーパーカー」を画像で見る(40枚)
- レクサスの新型「“和製”スーパーカー」公開に反響多数! 「最高」「二度見する」MT×4WD搭載もある”LFA2“こと「エレクトリファイドスポーツ」尼に登場
- マツダ「CX-5“スポーツ”」公開! 精悍エアロ装備の「迫力モデル」! 2.5 Lエンジン搭載の「クロ強化モデル」尼で実車展示
- “レクサスLFA”顔のトヨタ「86」!? ド迫力のボディ“整形”で「ミニLFA」化するボディキット「LFT-86」がスゴイ
- トヨタ「次期型セリカ」はどうなる? GRカローラ超えの「凄い4WD」採用を期待! 現状から考える理想的スペックとは
この記事に関連するニュース
-
マツダ「RX-8」じゃない斬新「ロータリースポーツカー」がスゴイ! リトラ風“奇抜ヘッドライト”&ガバっと開く“画期的ドア”採用! 謎の「エボルブ」とは?
くるまのニュース / 2024年11月24日 19時10分
-
いよいよ市販化!? マツダの新たな「和製スポーツカー」に期待の反響多数「金貯めます」「絶対ほしい」の声も!? 「次期型RX-7」なロータリーエンジン搭載! 流麗デザインの「アイコニックSP」のスゴさとは
くるまのニュース / 2024年11月19日 7時10分
-
「期待してるぜ!」マツダの新型エンジン「SKYACTIV-Z」発表に、驚きと不安混じるSNSの声
レスポンス / 2024年11月14日 11時45分
-
マツダの専売特許じゃない!? いまや幻の「ロータリーエンジン大国」ラインナップは驚愕の20種類!
乗りものニュース / 2024年11月5日 18時12分
-
マツダ新型「コンパクトSUV」発表! めちゃ豪華内装の特別仕様車設定! 大幅改良の「MX-30」約293万円から!
くるまのニュース / 2024年11月1日 8時25分
ランキング
-
1「トイレでスマホ」が招く危険...長時間座りっぱなしの健康リスクとは?
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月27日 17時50分
-
2「無性にコーヒーが飲みたい…」 実は鉄分不足が原因? 疲労増&集中力低下も
オトナンサー / 2024年11月27日 8時10分
-
3「小銭入れると落ちる恐れ」 しまむらの新作財布に不具合……「申し訳ございません」 販売中止に
ねとらぼ / 2024年11月27日 19時20分
-
4ユニクロ感謝祭「最強アウターが大幅値下げ」「ヒートテックも割安」絶対に買い逃してはいけない5アイテム
日刊SPA! / 2024年11月27日 8時54分
-
5大阪府の「お米クーポン」3億円分使われず 今月末期限、子育て世帯対象に配布
産経ニュース / 2024年11月27日 21時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください