新車で約90万円! ホンダのコスパ最強「軽トールワゴン」は斬新“一文字ヘッドライト”採用! カクカクなのに丸い「不思議ボディ」の微レトロモデルとは
くるまのニュース / 2024年9月11日 16時10分
ホンダの個性的な軽自動車「ザッツ」とは、一体どのようなクルマなのでしょうか。
■ホンダのコスパ最強「軽トールワゴン」!
かつてホンダには、「ザッツ」という名の個性的なクルマが存在しました。
一体どのようなクルマだったのでしょうか。
ザッツは、ホンダが2002年から2007年まで生産、販売していた、トールワゴン型の軽自動車。
同じくホンダの軽自動車「ライフ」のプラットフォームを用いて開発されており、前後バンパーなどを色違いにした「ポップカラー・コンポーネント」という、斬新かつ豊富なオプションカラーを用意している点がセールスポイントでした。
ザッツのボディサイズは、全長3395mm×全幅1475mm×全高1620mm。ホイールベースは2360mm。
エクステリアは、角を丸めた直方体のボディ形状が特徴的で、これは飽きが来ないようにシンプルさを意識して作られたデザインだといいます。
ヘッドライトやリアコンビネーションランプ、ドアミラーまで統一して横長の意匠が取り入れられており、さらにヘッドライトと左右のターンシグナルランプを一体化して横長にしたフロントデザインは、当時としては斬新そのもの。くわえて車体の幅広感を演出しました。
窓は広く視界は良好で、かつフロントノーズに適度な厚みがあるため、クルマの先端が把握しやすく運転しやすさも備えています。
インテリアは、車内の天井4隅がなるべくドライバーから離れた位置に配置されており、見た目以上に頭上の広さを感じられる空間設計。
内装の装飾部分と、天井の内張りの境界線を明確にデザインすることで、まるで部屋の中にいるような感覚となっており、フィット感とホールド性を両立したシートと相まって居心地のいい車内空間となっています。
パワートレインには、660ccの3気筒12バルブエンジンを搭載。
通常仕様とターボ仕様の2種類があり、前者は最大出力52馬力・最大トルク61Nm、後者は最大出力64馬力・最大トルク93Nmを発揮します。
安全装備としては、通常仕様ABSをオプション設定し、ターボ仕様には標準で装備。
ボディカラーは標準7色とオプション7色の、全14色から選択可能でした。
そんなザッツは、発売当初こそライフと共に人気車種となりましたが、軽自動車を検討するユーザーの中には押しの強いデザインを好むユーザーが多く、車体色以外はシンプル路線としているザッツの販売はやがて苦戦していきます。
また、トランスミッションが3速ATしか設定されていなかったことも、他社のライバル車と比較したときに不利な要因でした。
発売から約8ヶ月で、さらにカラーバリエーションを増やした15色の特別仕様車「アイテム」を出してみたり、一方で発売から約2年半後にはポップカラー・コンポーネントを廃止するなど、様々な試行錯誤が行われましたが、販売面で上向くことにはつながりません。
しかしその後、車両本体価格が90万円を切るリーズナブルさを追求した特別仕様車「スペシャルエディション」が登場したことにより、ついにザッツの売上は前年に比べて
倍増。
ホンダのラインナップにおいて「安価な軽自動車」という独自のポジションを得たことで、ザッツは活路を見出し、マイナーチェンジを行いながら販売が続けられ、後継車である「ゼスト」が発売された2007年に、販売を終了しました。
ちなみに当時のザッツの車両価格は、89万円から135万円となっていました。
※ ※ ※
豊富なカラーバリエーションをセールスポイントとして発売された、ザッツ。
しかしわずか2年半でポップカラー・コンポーネントが廃止されたところを見ると、当時のユーザーにとってはカラーバリエーションの豊富さは魅力として受け入れられなかったのかもしれません。
しかし現在の軽自動車やコンパクトカーは豊富なボディカラーを展開するモデルが一般化しており、中には有償のオプションカラーの方が多く設定されているモデルもあります。
そう考えると、ボディカラーとシンプルさを特徴としたザッツは、誕生が早すぎたモデルだったのかもしれません。
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