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ガソリンスタンド最大の謎? 全国どこでも「屋根がフラット」な不思議 「普通の家屋」のような「三角屋根」になっていない理由とは

くるまのニュース / 2024年12月31日 9時10分

全国どこでも、ガソリンスタンドの屋根は真っ平らです。どうしてそうなっているのか、その背景に迫ります。

■平らな屋根に隠された工夫とは

 全国津々浦々、どこのガソリンスタンドも屋根が真っ平らなことに不思議さを感じたことはありませんか?
 
 なぜ、ガソリンスタンドの屋根が真っ平らなのか、その謎を紐解いてみましょう。

 ガソリンスタンドの構造については「危険物の規制に関する政令(略称:危政令)」で厳格に定められています。

 ガソリンスタンドの屋根は建築用語で「キャノピー」と呼ばれており、その高さは5.6m以上としなければなりません。これは、大型車両の出入りを考慮した高さとしている様子です。

 また、キャノピーの柱が給油機器から60cm四方以内にあるときは、耐油素材を使用することが定められています。

 キャノピーを始めとする建築物は、耐火構造ないしは不燃材料で造ること、窓や出入り口は防火設備とすることも決められています。

 ちなみに建築物の用途は、給油とその付帯業務に限定され、延べ面積は300m2以下という基準になっていましたが、規制緩和がありコンビニやカフェなどの店舗が併設できるようになり、条件付きで300m2以上の建築物も可能となりました。ただ、医療施設や、宿泊施設、カラオケボックスなど万が一火災が発生したときの逃げ遅れが発生しやすい業種は認められていません。

 このほか、クルマの出入り時の事故防止と火災発生時の周囲への影響を防ぐために、「間口10m以上、奥行き6m以上の「給油空地」を確保し、かつその床は燃料等が浸透しない構造とすること、およびクルマが出入りする側以外は、火災発生時の隣接建物への延焼を防ぐため、高さ2m以上の耐火構造ないしは不燃材料の塀または壁を設置する必要があることなどが定められています。

 前述以外にも、ガソリンスタンドの構造についての基準が細かく定められていますが、その目的は防災・安全と火災発生時の被害を最小限に食い止めるものとなっています。

■なぜ「屋根が平ら」なのか

 しかしながら、ガソリンスタンドの屋根に関する基準は、高さと材質についてのみに限定され、「構造」についての規定はありませんでした。
 
 法令で定められていない部分は、自由な構造物を造ることができます。従って、ガソリンスタンドの屋根は真っ平らである必要がありません。

ガソリンスタンドのイメージガソリンスタンドのイメージ

 それでもガソリンスタンドの屋根が全国どこも真っ平らなのはなぜでしょうか。特に、豪雪地帯のガソリンスタンドの屋根は、雪おろしをしなくても済むよう、傾斜を付けたほうが良さそうに思われます。

 これについて調べたところ、豪雪地域のガソリンスタンドの屋根には「融雪装置」を備えており、雪を融かすことで積もらないようにしているようでした。

 おそらく、屋根に傾斜を付けると、その面積からしてかなりの量の雪が一か所へ集中して落ちて危険なうえ、山のようになった雪をいちいち除雪する労力を考慮すると、機械で融かしたほうが効率的、経済的なのかもしれません。

 豪雪とまでは至らないまでも、ある程度雪が積もる地域では、屋根の構造に十分な強度を持たせ、積もる雪の重量に安全に耐えられるように建てられています。雪が積もっても放置、自然な融雪に任せている様子でした。

 雪が降る、降らないに関わらずガソリンスタンドの屋根が真っ平らなのは「最も建築しやすい形状であること」「変わった形にする意味が特段見当たらない」といった理由からでしょう。

 さらに調べを進めると、数は少ないものの、真っ平らではない多種多様な屋根の形をしたガソリンスタンドが存在することが分かります。

 例えば、千葉県市川市にある「ENEOS アクシス行徳」は珍しい「アーチ型」をしています。このほかにも、三角屋根や円柱状の形状の屋根をしたガソリンスタンドがあります。

 また、寒冷地では「無落雪屋根」と呼ばれるYの字型の屋根を持ち、その多くはヒーターを内蔵して雪を融かして2つの傾斜に挟まれた谷底の部分に、融けた雪を集めて人や車が濡れないような仕組みをもったガソリンスタンドが点在しているようです。

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