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ジビエレザーを個性的製品に、触って身近に感じて 岡山の研究所「大切な命を無駄にせず有効活用を」

共同通信 / 2024年3月28日 7時4分

シカ革を使った「かわねんど」

 岡山市の「建部獣皮(たけべじゅうひ)有効活用研究所」が、シカやイノシシの革(ジビエレザー)の魅力を広めようと、触って楽しむことに特化した個性的な製品を開発している。田畑を荒らす害獣として駆除され、通常は廃棄されてしまう皮を活用する。代表の頼本ちひろさん(41)は「なじみのない素材だからこそ、多くの人に実際に手に取ってもらい身近に感じてほしい」と語る。(共同通信=我妻美侑)

 シカ革を使った「かわねんど」は、水でぬらすと自由に成形できる紙粘土のような特徴を生かしたクラフト製品だ。パンダや竜などが作れるキットにした。ワークショップを開催すると「革は乾くと形状記憶するんだ!」などと驚きや発見の声が上がるといい、子どもから大人まで幅広い世代で人気を集めている。

 シカとイノシシそれぞれの質感を楽しめる、手のひらサイズのキーホルダー「にぎにぎ」も開発した。しっとりと柔らかいシカ革にはスポンジを詰め、ふわふわ感を演出。頑丈で野性味にあふれるイノシシ革にはプラスチックの粒を入れ、ざくざくな触感に仕上げた。頼本さんは「リラックスやストレス解消グッズとして使ってほしい」と話す。

 頼本さんは、夫が岡山市の地域おこし協力隊に任命された2016年、京都府福知山市から移住した。その頃、駆除されたシカやイノシシの約9割が全く活用されずに捨てられ、食用肉などに利用されても皮の部分は処分されていることを知った。

 「大切な命を無駄にせず価値ある資源として有効活用したい」。そんな思いで2018年に研究所を設立。地元の猟師らから皮を譲り受けて名刺入れやアクセサリー作りを始めると、次第にジビエレザーならではの魅力を前面に押し出した製品のアイデアが生まれていった。

 開発製品の一部は研究所のオンラインショップ「TALABO(タラボ)」などで販売中。今後、取り扱いを増やしていく計画だ。

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