御巣鷹の尾根、登山道が開通 日航機事故現場、冬の閉山終え

日航ジャンボ機墜落事故で亡くなった父孝之さんの墓標に語りかける小沢秀明さん（右手前）ら＝29日、群馬県上野村

　1985年に520人が犠牲となった日航ジャンボ機墜落事故の現場、群馬県上野村の「御巣鷹の尾根」に向かう登山道が29日、冬の閉山期間を終え、開通した。午前9時、ふもとの村道に設置されたゲートが開かれると、遺族や関係者らはまだ肌寒さが残る尾根に登山し、犠牲者に思いをはせた。

　父の小沢孝之さん＝当時（29）＝を亡くした秀明さん（38）は、妻（38）と長女（2）、母紀美さん（67）の4人で登山し、墓標の前で手を合わせた。孝之さんが好きだったビールとたばこを供えて「ずっと見守っていてね」と声をかけた。

　事故は85年8月12日に発生。羽田発大阪行き日航123便ボーイング747が墜落した。