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創業465年、強みは店主の提案力 4500点並ぶ名古屋の調理器具店「鍋屋」

共同通信 / 2024年8月18日 8時2分

商品の鍋を手に取る創業465年の老舗調理器具専門店「鍋屋」店主の水野文雄さん=2024年6月、名古屋市

 名古屋市東区に創業465年の老舗調理器具専門店「鍋屋」がある。鍋や包丁など約4500点が所狭しと並ぶ店先では、客と店主の水野文雄さん(58)がじっくり話し込む姿がよく見られる。インターネット通販や量販店が台頭する中「ざる一つでも最も用途に合う品を選ぶ『提案力』が強み」と語る。(共同通信=首藤瞬)

 創業は1559年。足軽だったという初代が戦場でけがをした際、織田信長から「手先が器用だから」と鋳物作りの特権を与えられたのが店の始まりだと伝えられる。

 店には飲食業界のプロのほか、家庭で料理をする人も訪れる。商品を何度も見つめるなど、迷っている様子があれば「何を作りたいんですか」などと声をかけ、用途や予算を尋ねる。

 「パスタにはアルミ鍋が向きますけど、焼き物には不向きですね」。とりわけ品ぞろえが豊富な鍋類は自ら使うようにしており、使用感や材質の特徴、ときには短所も含めて説明する。「お客さんに無駄な買い物はしてもらいたくない」との思いからだ。各メーカーの約8万品が載るカタログにも日々、目を通す。「ただ物を売るというよりコーディネーター。話し合って、喜んでもらえる物を提供したい」

 大学を卒業し、車の部品メーカーに勤務していたが、バブル崩壊後、父から店の経営が苦しく廃業を考えていると耳にした。「先祖から続く店がなくなっていいんだろうか」との思いが募り、1994年から店を手伝うように。最初の1年半は茨城県のアルミ鍋工場で金型作りなどに携わり、現場で商品知識を身に付けたという。

 店主としては15代目の水野さん。「徳川なら不吉な数字ですね」。15代で終わった江戸幕府になぞらえ、おどけてみせつつも「いい食事ができたら幸せじゃないですか。そのための道具を選ぶのも楽しんでもらいたい」と力を込めた。

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