アスパラ「切り下」をウニ養殖で有効活用 北海道、農水“ハイブリッド”特産品目指す
共同通信 / 2024年8月21日 7時2分
北海道南部の厚沢部(あっさぶ)町などの農家らが、特産のアスパラガスを出荷する際、長さをそろえるため切り落とされる「切り下」を、同じく特産の養殖ウニの餌に活用する取り組みを進めている。5月に試験販売され、身入りも良く、味わいも上々と好評だ。地域の農業と漁業が力を合わせた新たな特産品にと期待がかかる。(共同通信=川村隆真)
JA新はこだて厚沢部営農センターによると、同町など6町の農家でつくる「檜山(ひやま)南部立茎アスパラガス生産組合」では、昨年度約183トンのアスパラを出荷。ただ出荷時に切り落とす1~2センチの根元部分は通常、廃棄せざるを得ない。
根津貴浩組合長(60)は約10年前、環境負荷や廃棄費用の軽減などの観点から、切り下の活用策を考え始めた。当初はペースト状にして商品化することを検討したが、加工の手間がかかることから断念した。
転機は2020年、神奈川県でウニにキャベツを給餌している事例を知ったこと。神奈川県水産技術センターは17年から、海藻を十分に食べられずに身がやせたムラサキウニに、流通規格外品の春キャベツを与えて養殖。同センターによると「ウニはくせがなく味の薄い野菜を好む」という。
切り下も活用可能ではないかと、道庁檜山振興局の檜山地区水産技術普及指導所(江差町)を中心に農水共同での研究プロジェクトが始まった。
21年、同指導所がカゴ内での給餌試験で、ウニがアスパラを食べて育つことを確認した。昨年10月には本格的な給餌を開始。昆布が枯れて餌が少ない10~11月はアスパラを、以降は身を膨らませるため、動物性タンパク質が豊富な魚肉を与えた。切り下は計864キロも活用できたという。
今年5月、「アスパラウニ」として地域の祭りで試験販売。磯臭さが少ないさっぱりした味わいが特徴で、購入者の約8割が「味に満足した」と評価したという。根津組合長は「農業と漁業が一つになった新たなブランドをつくりたい。まずは地域の人に知ってもらえるよう、PR活動に力を入れる」と強調した。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「くら寿司」が自社養殖の第2弾を数量限定販売 和歌山の梅、海で育った「和歌山 梅育ち真鯛」
OVO [オーヴォ] / 2024年8月20日 15時30分
-
和歌山包括連携協定を経て、生簀を増設 KURAおさかなファームのブランド魚 自社養殖の第2弾 和歌山の梅、海で育った「和歌山 梅育ち真鯛」 ―8月20日(火)から数量限定で販売―
Digital PR Platform / 2024年8月19日 14時0分
-
海洋保全の推進を目指して 大阪初の“ビーチの国際認証”「ブルーフラッグ」を取得した 「二色の浜海水浴場」の持続可能な発展を応援 ―「2024二色の浜ブルーフラッグ シルバーパートナー」として協賛―
Digital PR Platform / 2024年8月1日 10時0分
-
大阪初の“ビーチの国際認証”「ブルーフラッグ」を取得した 「二色の浜海水浴場」の持続可能な発展を応援
共同通信PRワイヤー / 2024年8月1日 10時0分
-
魚力と北三陸ファクトリー、業務資本提携を締結
PR TIMES / 2024年7月31日 17時45分
ランキング
-
1岸田首相、9月上旬の訪韓検討=退陣前に関係改善再確認
時事通信 / 2024年8月20日 21時33分
-
2「世界でも例なく難しい」初デブリ採取 福島第1廃炉推進カンパニーの小野明代表に聞く
産経ニュース / 2024年8月20日 18時39分
-
3新宿で男女2人死亡、飛び降りか 都営住宅敷地内、20代ぐらい
共同通信 / 2024年8月20日 23時49分
-
4家族3人死亡事故でトラック運転手逮捕 会社の検査後に飲酒の疑い
毎日新聞 / 2024年8月20日 18時26分
-
5天草市「轟の滝」周辺で川遊びの人たちに体調不良相次ぐ 46人が受診 原因特定急ぐ
KKT熊本県民テレビ / 2024年8月20日 18時2分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください