1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. プレスリリース

膝サポーターが歩行を“整える”ことを実証

共同通信PRワイヤー / 2024年7月18日 14時5分


研究の経緯

産総研健康医工学研究部門は、産総研の総合力を発揮するべく複数の研究領域で構成する次世代ヘルスケアサービス研究ラボに参画して、モーションキャプチャー装置や小型センサーを活用し、医療や介護・福祉の現場で利用されるヘルスケア製品・サービスの検証データを取得するなど、高齢化が進む社会における課題解決に取り組んでいます。


本研究は、健康状態の改善を実現するための研究開発を行う観点から、社会で有用性が広く認知されている膝サポーターが歩行に及ぼす効果を検証・評価することを目的として実施しました。 


研究の内容

われわれは、産総研四国センターが保有する身体動作の計測設備・評価技術群の総称である「身体動作解析産業プラットフォーム」を活用し、健常な高齢者の歩行を計測・評価して、膝サポーターの着用効果を検証しました(図1)。


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202407163648-O2-2F2waU0x


実験では、健常な高齢者16名を対象に、光学式モーションキャプチャー装置と慣性計測装置(Inertial Measurement Unit、IMU)を用いて、歩行中の身体の位置座標、腰部および足部の加速度を計測しました。参加者には、快適な速度(快適速度)とできる限り早い速度(早歩き)の条件で歩行してもらいました。参加者は、裸足で約15 mの直線路を5往復しました。腰部に貼付したIMUから得られる加速度のデータから、歩行の対称性を示す指標であるImproved Harmonic Ratio(iHR)を算出し、膝サポーター非着用時の結果と両膝着用時の結果の比較により、膝サポーター着用の効果を検証しました。なお、実験は所内倫理委員会の承認を得たうえで実施しました。参加者は、実験前に書面と口頭による説明を受け、同意したうえで実験に参加しました。


実験の結果、早歩きの際に膝サポーター非着用の場合、快適速度での歩行時と比較して身体前後方向のiHRが低い値を示しました(図2)。これは、歩行の対称性の低下を示しています。一方、早歩きの際に膝サポーターを着用すると、非着用時と比較して身体前後方向のiHRは高い値を示しました(図2)。これらの結果から、早歩きの際には快適速度での歩行時に比べて歩行の対称性が低下すること、そして膝サポーターを着用することで、その対称性が向上することが明らかになりました。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください