膝サポーターが歩行を“整える”ことを実証
共同通信PRワイヤー / 2024年7月18日 14時5分
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202407163648-O3-v6R214gg】
歩行の対称性と転倒リスクの間には関連性があり、転倒リスクの高い人は歩行の対称性が低いことが報告されています。つまり、早歩きの際の歩行の対称性の低下は、転倒リスクの増大と関連する可能性があります。実際に、高齢者では特に早歩きの際に転倒リスクが高まることが報告されています。少子高齢化が世界規模で進行する中、要介護者になる主要な原因の一つである「転倒」の予防は、生活の質(QOL)を維持・向上し、ウェルビーイングを実現するための世界共通の課題です。本研究の結果は、早歩きの際に膝サポーターが歩行を整え、転倒リスクを低減するのに有用である可能性を示唆しています。
今後の予定
本研究の成果は、膝サポーターが歩行の質、特に歩行の対称性の向上をもたらすことを示す科学的根拠を提供するものです。産総研は、今後もヘルスケア製品・サービスの検証データの取得を進め、人の身体・運動機能の維持・改善に資する科学的知見の獲得とそれらのヘルスケア産業への応用を通じて、健康かつ質の高い生活の実現に繋げていきます。
論文情報
掲載誌:Frontiers in Bioengineering and Biotechnology
論文タイトル:Knee sleeves improve gait symmetry during fast walking in older adults
著者:Takuma Inai, Shoma Kudo, Wakako Tsuchida, Masahiro Fujimoto
DOI:10.3389/fbioe.2024.1394314
支援元:香川県「AI等先端技術活用型研究開発支援事業」(2022年度~2023年度)
用語解説
光学式モーションキャプチャー装置
対象物に貼付した反射マーカーを複数の赤外線カメラで追跡し、人間や物体の動きをデジタルデータとして記録する技術。映画・アニメ・ゲームなどの制作現場だけでなく、医療・リハビリテーション・スポーツなどの研究分野においても広く活用されている。
慣性計測装置(Inertial Measurement Unit、IMU)
3次元空間での慣性運動を検出する慣性計測ユニット。主に3軸加速度センサーと3軸ジャイロセンサーを内蔵し、対象の並進・回転運動を計測する。
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