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3種類の金属が並んだ常磁性一次元化合物の合成に成功

共同通信PRワイヤー / 2024年8月20日 10時0分

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202407183795-O5-61WRn8Ab】 図1. 緑色で記したNi付近の磁気が互いに逆向きになったことを表している図.

研究成果を抽象的に、逆方向に向いた方位磁石のCG (Computer Graphics)で表現。CGは本研究内容とイメージ案を元に、

サイエンス・グラフィックス株式会社 辻野貴志氏によって制作された


繋がっています。各金属イオンは不対電子をもち、それぞれ、122、198、292、530 K以下で反強磁性的相互作用することが知られています。一方で、金属イオンが、ハライドイオンや有機分子で連結された集積型金属錯体は1990年代後半から活発に合成され、例えば、Mn2+が塩化物イオンで3.7 Åの距離で連なったものは0.4 K以下で、Co2+がピラジンで7.3 Åの距離で連なったものは2 K以下で反強磁性的相互作用します(図2)。つまり、金属イオンの種類と距離が変わるだけで、極端にその相互作用が弱くなる傾向がありました。


研究成果

 そのような中、岐阜大学のグループは、金属イオンを直接の金属結合で繋ぐことに注目しました。Pt-Ni-Ptと並んだ三核金属錯体と、Rh-Rhの複核金属錯体をエタノール中で混合すると、PtとRhが金属結合し、-Rh-Rh-Pt-Ni-Pt-と並んだ一次元化合物が得られました。単結晶X線構造解析で結晶構造を確認し、元素分析、赤外分光法、エネルギー分散型X線分光法、X線光電子分光で各金属の酸化数を確認したところ、-Rh(+2)-Rh(+2)-Pt(+2)-Ni(+2)-Pt(+2)-であることがわかりました。4 Kでの電子スピン共鳴測定の結果、Ni由来のシグナルが観測され、Ni(+2)中の8つのd電子のうち、dx2-y2電子、dz2電子が不対電子として存在することがわかりました。つまり、Ni上の2つの不対電子が、-Pt-Rh-Rh-Pt-の金属結合で、13 Åの距離で介していることになります。

 極低温から常温までの磁化率測定の結果、55 K以下で反強磁性体となることがわかりました。図3に示すように、磁性金属イオン間の距離と相互作用の大きさは、トレードオフの関係にあり、それに逆らうように、磁気的相互作用が強いことがわかります。


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202407183795-O6-q78x75vZ】 図2. これまでと本研究にみられる反強磁性的相互作用の発現温度.

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