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基準光配信と光コムを用い、光源一つで大容量コヒーレント光通信に成功

共同通信PRワイヤー / 2024年7月24日 14時0分


今回の成果

 今回、当グループはS、C、L波長帯のほぼ全域(16テラヘルツの周波数帯域)で、光通信の25ギガヘルツ周波数規格に準拠し、コヒーレント光通信に利用可能な高品質光コムを生成することに世界で初めて成功しました。この光コム技術を、高精度な時刻同期や観測等の目的で研究されている基準光配信技術と組み合わせ、650波長のコヒーレント光通信システムを構築しました(図1参照)。


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202407193865-O1-Bifi8kcu

 図1 基準光配信と光コム技術によって、通信チャネルの周波数が自動的に同期する光ネットワークのイメージ図


 送受信ノード間の650波長のコヒーレント光通信チャネルは、基準光配信と光コム技術によって自動的に周波数が同期するようになっているため、個別の光源モジュールの発振周波数の制御が不要となります(図2参照)。実験では、3モード型マルチコアファイバの1コアのみを用いて構築した通信チャネルで、偏波多重16QAM方式の信号変調とモード多重を行い、最新の商用光通信装置200台分(毎秒1.6テラビット×200=毎秒320テラビット)に相当する、毎秒336テラビット(毎秒200ギガビット×650×3×誤り訂正効率(平均86%程度)=毎秒336テラビット)の伝送容量を達成しました。同じ伝送容量を実現するように従来の方式でコヒーレント光通信システムを設計した場合、O、E、S、C、L、U波長帯(40テラヘルツの周波数帯域)において200台分の個別の光源が必要であり、O、E、S、U帯用光源の商用化も必要でしたが、今回の実証では個別の光源を用いず、一つだけの光源と光コムを用いて達成できました。


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202407193865-O2-6XGGBU4c

図2 従来方式で設計した場合の毎秒320テラビット級光通信システムと、本研究の比較

前者はO帯~U帯まで周波数帯が拡張(合計40テラヘルツ)された200台分の最新の商用光通信装置を必要とする。後者で必要な光源は一つだけである。

 

 なお、本実験結果の論文は、光ファイバ通信関係最大の国際会議の一つである第47回光ファイバ通信国際会議(OFC 2024、開催地:米国サンディエゴ、2024年3月24日(日)~3月28日(木))で非常に高い評価を得て、最優秀ホットトピック論文(Postdeadline Paper)として採択され、現地時間3月28日(木)に発表しました。

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