明治の乳酸菌Lactobacillus paragasseri OLL2716株の継続摂取が腸内細菌叢の変化を緩和する可能性を示唆

　OLL2716株を含むヨーグルトを幅広くお客さまに提供することで、人々の健康に貢献するとともに、引き続きお客さまの健康維持のために有益な研究の知見を発信し、「meijiらしい健康価値」を提供していきたいと考えています。

【研究の目的】

　これまでの研究でOLL2716株を含むヨーグルト摂取はアスピリン起因性の小腸粘膜傷害を改善することが示されています※6。そのメカニズムについて、OLL2716株を含むヨーグルトが腸内細菌叢に影響を与えたことによる可能性を考えました。アスピリン服用者は腸内細菌叢に大きく影響を与えるPPIを併用することがよくあります。そこでOLL2716株を含むヨーグルトがPPI服用者および、PPIとアスピリン服用者の腸内細菌叢に与える影響を評価することを目的とし、本研究に取り組みました。

※1 Lactobacillus paragasseri OLL2716株：Lactobacillus gasseri OLL2716株と同じ乳酸菌ですが、国際的な　　　　

　　分類再編により菌種名が変更になりました。

※2 プロトンポンプ阻害薬：胃の壁細胞のプロトンポンプを阻害することで、胃酸の分泌を抑える薬です。

※3 アスピリン：解熱鎮痛作用や抗血栓作用を有する薬で、広く使われています。

※4 Enterobacteriaceae：腸内細菌科とも呼ばれ、大腸菌や赤痢菌、サルモネラ菌などを含む細菌群を示します。

※5 出典：Nagata N et al., Gastroenterology, 163(4):1038-1052, 2022

※6 出典：Suzuki T et al., Digestion, 95(1):49-54, 2017

発表内容

【タイトル】

　PPIおよびアスピリンによる腸内細菌叢変化へのLactobacillus paragasseri OLL2716の影響

【方法】

　PPI服用者（PPI群）、PPIとアスピリン服用者（アスピリン群）および両剤非服用者（対照群）にOLL2716株を含むヨーグルト112mLを6週間毎日2本摂取していただきました。摂取前後で糞便を採取し、腸内細菌叢解析を行うことで、OLL2716株を含むヨーグルトがPPIや、PPIとアスピリン服用による腸内細菌叢の変化に与える影響を評価しました。

【結果】

対照群16例、PPI群17例、アスピリン群16例を解析対象としました。