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超音波診断動画から肺病変の所見に必要な特徴を高精度・高速に自動検出するAIを開発

共同通信PRワイヤー / 2024年7月24日 18時0分


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202407223929-O2-wDYAp8NN


Lung slidingの自動検出速度を向上させるために、動画内のlung slidingの横方向の動きを二次元画像に変換するプログラムを構築し、その後CNNsによる検出を試みました(図3)。図3に示すように、肺エコー動画のフレーム毎に胸膜ラインの領域を切り取り、それを縦に並べ二次元画像を作成します。二次元画像の縦軸は時間の経過を示しており、CNNsはlung slidingの有無を模様の違いで判断します。Lung sliding有の場合はまだら模様、無の場合は直線模様になります。動画をそのまま使用する場合、自動検出に時間がかかるため、臨床での使用が難しいと判断し、上記の対応を試みました。一般的な性能のPCを用いて二次元画像の方法を用いると数秒で検出が終えられます。将来的な製品化を考えた場合、プログラム動作が軽いことはメリットになります。評価指標は、横軸に偽陽性率、縦軸に真陽性率を取った曲線の下側の面積の大きさを示すArea Under Curve(AUC)を用いました。AUCは、現象の有無の分類性能の評価(今回ならばlung slidingの有無の評価)に使用されることが多く、この指標も1に近いほど高精度に予測できたことを示します。結果として、臨床医の判定に対するAUCは0.894という高い値を得ました。この評価値は、われわれの構築したAIが高い精度で胸膜の位置や動きを予測可能なことを示しています。これらの結果は、胸膜の位置や動きと、そこから派生するアーチファクトを用いて診断を行う肺炎や肺水腫などの特徴の自動検出にもつながります。


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202407223929-O5-ymRAOQ9n


今後の予定

今後は、肺炎や肺水腫の所見の自動検出を検討します。また、肺エコー専用の超音波プローブを開発します。超音波プローブの周波数や形を最適化することで、超音波診断画像が鮮明化しAIによる検出精度の向上につながります。今後、これらの検討を行うことにより、臨床現場での使用の可能性が高まり、肺エコーの課題解決に役立つと考えています。


論文情報

掲載誌:Heliyon

論文タイトル:Automatic detection of pleural line and lung sliding in lung ultrasonography using convolutional neural networks

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