映像の中の画像由来、音楽由来の感情に関連する脳部位を特定
共同通信PRワイヤー / 2024年10月3日 14時0分
図2 感情の喚起に関わる脳部位
感情を喚起するモノ・サービスづくりに貢献
2024年10月3日
ポイント
■ 映像視聴時に視覚由来、聴覚由来で感情が喚起された時に異なる活動をする脳部位を特定
■ 今後、ヒトの感動に関わる脳内過程がより解明される可能性
■ 「neuro-design(ニューロデザイン)」でヒトに優しい社会づくりへの貢献に期待
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT(エヌアイシーティー)、理事長: 徳田 英幸)は、未来ICT研究所 脳情報通信融合研究センター(CiNet)において、パナソニック株式会社エレクトリックワークス社及び同志社大学の研究者らと、fMRIを使った心理実験によって、映像視聴時に視覚由来、聴覚由来で感情が喚起された時に異なる活動をする脳部位を特定しました。本発見、本技術の研究開発により、今後、ヒトの感動(move)に関わる脳内過程の解明が促進されるとともに、ヒトの感動を喚起するモノやサービスの研究開発にも役立てられることが期待されます。 さらに、本研究結果より、脳からデザインする「neuro-design(ニューロデザイン) 」の観点から、ヒトに寄り添うモノづくりやサービス、ヒトに優しい社会づくりにも貢献できることが期待されています。
なお、本成果は、2024年9月12日(木)に、英国科学雑誌「Scientific Reports」に掲載されました。
背景
ヒトは見る、聞く、嗅ぐなどのいわゆる五感を通して、外界の情報を処理していますが、感情を喚起された時に活動する脳部位や脳情報の処理過程はいまだ分かっていないことが多いのが現状です。その主な理由として、多くの場合、何かを感じて喚起される感情は、見る、聞くなどの複合的な知覚や感覚がもたらした結果と考えられ、その脳部位の特定や脳内過程を調べることには難しさがあり、映像によって喚起される感情そのものを科学的な研究対象とすること自体が大きな困難を伴う課題とされていました。
今回の成果
今回NICTは、心理実験やfMRI実験を行い、映像(視聴覚刺激)を見て喚起される感情に関わる脳部位を特定することに成功しました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202410017380-O1-60ISBHl7】
図1 実験風景
実験参加者はfMRI装置内で映像(自然や風景の映像のバックグランドで簡単なピアノ演奏(有名でない曲)が流れる動画)を視聴し、画像により感情が喚起された(visual-driven)か、音楽により感情が喚起された(auditory-driven)かを報告してもらった。
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