トンボの複眼から金型を作製
共同通信PRワイヤー / 2024年11月7日 14時0分
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202410158079-O3-8fxd5Oes】
【動画:https://www.youtube.com/watch?v=t88Qn9mLEMc】
動画1 複製した個眼一つ一つにAISTロゴが表示される様子
※原論文の動画を引用・改変したものを使用しています。クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示4.0 国際)
金型材料を検討するために、それぞれ融点の異なる金と白金、タングステンを用いて金型を作製し、その表面の熱安定性について評価しました(図3)。金を用いた場合、300 ℃以上で金型表面での金の元素比低下が確認されました。さらに、白金では550 ℃で元素比が低下し、700 ℃で元素が消失しています。通常、バルクの金や白金は1000 ℃でも融解しません。しかし、本研究の低温スパッタリングではナノ粒子化した金属材料が原型に堆積することがわかっています。ナノ構造体になると、構造の熱安定性が低下することが知られており、この性質が金型の安定性に影響したと考えられます。結果として、1000 ℃まで安定して構造の保持が可能な金型材料は、タングステンのみであることがわかりました。金や白金は、熱硬化性樹脂などを流し込み成型する低温プロセスであれば利用が可能です。ガラス材料や低融点金属での流し込み成型ではタングステンを金型にすることで対応できることがわかりました。エポキシ樹脂と同様に溶融ガラスをタングステン金型に流し込み、マイクロメートルサイズのレンズ構造と防曇効果を持つ複眼レンズが形成されることを確認しました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202410158079-O4-5k0EsWB9】
【動画:https://www.youtube.com/watch?v=FZMajjRRL1g】
動画2 ガラス製複眼レンズの水蒸気暴露試験
※原論文の動画を引用・改変したものを使用しています。クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示4.0 国際)
今後の予定
本研究ではさまざまな素材の対象を原型にしてナノ構造を金型に写し取る技術を開発しました。微小な構造を原型とした際の再現性と金型材料の選択肢の広さによる加工コストの低減の可能性が示されました。今後は加工難易度の低い低融点の樹脂に機能性を示すナノ構造を形成・金型作製し、機能性ナノ構造体の量産化を実証します。また、トンボの複眼再現に関しては、レンズを金型で繰り返し作製できることで、光学特性の最適化や複眼撮像の画像処理といった実用化に向けた研究が加速すると期待されます。トンボの360°視野をそのままの大きさで再現し、ドローンや自動運転での事故防止に寄与するような技術を目指します。
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