EY調査、不確実性や市場の変動性が高まる中、世界のIPO市場は回復力を維持
共同通信PRワイヤー / 2024年10月25日 14時32分
・第3四半期累計で、AmericasとEMEIA地域の双方が件数と調達額ともに前期比2桁成長を記録
・2024年第2四半期と比べて、世界のIPOの調達額は12%減少したが、Asia-Pacificの第3四半期の回復が世界のIPO件数11%増加に貢献
・IPOパイプラインは、世界中からのAIに対する関心を色濃く反映
EYは、2024年第3四半期(以下、3Q)のIPOに関する調査結果を発表したことをお知らせします。世界的経済が減速し、市場の変動性、地政学的な変化や金融緩和の中、2024年第3四半期(以下、3Q)における世界のIPO市場は慎重な楽観主義の兆候を示しています。前年同期比では、IPO件数が14%減少し310件に、調達額は35%減少で249億米ドルとなったものの、IPOのローンチに関しては3Qは控えめながら2024年1Qおよび2Qを上回りました。
3QのIPO活動は、世界的な金利緩和サイクルの開始を特徴とする複雑な経済的および地政学的状況を乗り越え、市場変動の高まりに対処しました。これらの困難にもかかわらず、Americas(北米・中米・南米)およびEMEIA(欧州・中東・インド・アフリカ)は2024年第1~第3四半期で回復力を示し、EMEIAのIPO調達額は前年同期比で45%も増加し、世界市場の全体的な低迷を和らげました。これらの調査結果は、EYの四半期レポート「EY Global IPO Trends Q3 2024(以下、「本調査」)」に掲載されています。
近年、プライベートエクイティ(PE)およびベンチャーキャピタル(VC)による出口活動が持続的に低下していることから、収益化の準備をしているポートフォリオ企業が増えています。現在の評価水準が、成熟した高価値のポートフォリオ企業の公開市場への投入にとって有利になるにつれて、PEが支援するメガIPOやVCが支援するユニコーン企業の復活が具体化してきています。2024年初めから9か月間において、世界のIPOのトップ10のうち6件がPEおよびVCが支援するIPOであり、世界のIPOの調達額の3分の1以上を占めています。Americasにおいては、これらのIPOが資金調達総額の52%を占め、現在のIPOの状況から脱したいPEおよびVE企業の強い意欲を明確に示しています。
クロスボーダー上場においても著しい上昇がありました。本年初めから9か月間で77社が国外での上場を選択し、これは、前年同期の64社と比べて20%の増加となります。2023年から米国の証券取引所におけるIPOのおよそ52%を外国の発行者が占めており、20年ぶりの最高値となっています。同時に、今年の米国と中国間の株価実績は対照的で、2国間の市場価値の差異は3Qに過去最高を記録しています。
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