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水への投資が世界紛争の急増を回避する鍵

共同通信PRワイヤー / 2024年10月30日 14時24分


サヘル地域での農牧民紛争の激化は5,000万人以上の人々に影響を与えており、生態系に関する圧力が、既存の民族間の敵対意識や資源をめぐる緊張をいかに激化させる可能性があるかを示しています。国際的な過激派グループは、こうした地元の不満を利用して戦闘員を動員し、紛争を激化させています。サヘル地域は、アフリカ大陸の人口のわずか6.8%にもかかわらず、同大陸の紛争による死者総数の約16%を占めています。特に懸念されるのは、これらの過激派グループがコートジボワール、ベナン、トーゴ、ナイジェリアといった西アフリカ諸国を含む比較的平和な地域に侵入していることです。


水と食料の安全保障


水のリスクは統治の弱さやインフラの貧弱さと強く相関しており、サハラ以南のアフリカでは、再生可能な水資源のわずか2%しか農業に使用されていません(世界全地域の平均は6.7%)。しかし、適切な投資があれば、最悪の影響は避けられます。サハラ以南のアフリカの耕作地のうち、灌漑されているのはわずか1.8%です。これは、世界全体の灌漑率19%の10分の1にも満たない数字です。


加えて、灌漑技術が進歩すれば、農業における水の利用がより効率的になります。低所得国および中所得国の灌漑地は、2030年までに34%増加すると予想されていますが、農業用水の総使用量の増加率は14%にとどまると予想されています。


将来の世界への影響


気候変動は、氷河に育まれた南アジアと南米の生態系の水資源に負担をかけると見られています。また、海面上昇は、東南アジアを中心とした、世界で最も肥沃な農業地域の一部で塩分濃度を上昇させるでしょう。中国とインドでさらに異常気象が進めば、そこに暮らす28億人の食糧供給が困難になります。さらに、9,100万人以上の人々が生計を立てているメコン川下流域とナイル川デルタでは、上流のダム建設により、水の流れが深刻な影響を受けています。


こうした生態系上の脅威の影響は、地域の境界を越えて世界的に広がっています。サプライ・チェーンは相互に関連しているため、ある地域における食糧不足が、世界の食糧価格と供給に影響を及ぼす可能性があります。気候変動が激化するにつれ、世界的な移住パターンに大きな変化が生じ、移住元の国でも、移住先の国でも、人口構成と経済は変化するでしょう。より効率的な農業用水と農業用地の利用に適切な投資を行うことで、生態系の劣化による最悪の影響を大幅に緩和し、経済を改善し、紛争を防ぎ、やむを得ない理由による移住を減らすことができます。

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