NICT、NEC、東北大学、トヨタ自動車東日本、東北の工場でSRF無線プラットフォームVer. 2の実証実験に成功
共同通信PRワイヤー / 2024年11月7日 14時0分
このような事態を避けるため、NICT及びNECは、2015年から、製造現場の無線化を推進するフレキシブル・ファクトリー・プロジェクト(Flexible Factory Project)の活動を実施しており、本活動を通して得られた知見をいかし、異種無線通信の協調制御により無線通信を安定して動作させるSRF無線プラットフォームの技術開発を推進してきました。また、2017年7月に、SRF無線プラットフォームに高い関心を持つ企業と共にフレキシブルファクトリパートナーアライアンス(FFPA)を設立し、技術仕様の標準化を推進してきました。そして、2023年1月に、SRF無線プラットフォームの技術仕様書Ver. 2を策定し、公開しました。
SRF無線プラットフォーム技術仕様書Ver. 2においては、Ver. 1が対象としていた無線LANに加えて、キャリア5G、ローカル5G、LTEも用いたハイブリッドなネットワークの利用が可能になりました。これにより、広いエリアに無線通信を提供できる公衆網(キャリア5GやLTE)と、工場の建屋のように金属で囲われて外部からの電波が届きにくいところに局所的に無線通信を提供できるローカル5Gを組み合わせることで、無線通信品質をより安定にさせることが可能となりました。NICT及びNECは、このSRF無線プラットフォーム技術仕様書Ver. 2に対応した無線通信システムを開発しました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202411059379-O1-6504DmqU】
図1 SRF無線プラットフォームを用いた実験システム
稼働中の製造現場における実証実験
本無線通信システムの有効性を稼働中の製造現場で確認するために、トヨタ自動車東日本の宮城大衡工場にて、図1のような環境で、公衆網とローカル5Gの切替えによる移動体との間の無線通信品質を評価する実験を実施しました。実験では、図2のように製造現場で稼働している移動体(自動搬送車)にSRF Deviceを搭載し、約163 m離れた工場A、Bの間を往復させました。ローカル5Gの周波数帯は4.8GHz~4.9GHzの電波を使用しました。
自動搬送車は、図1の青線のようにローカル5Gでデータを送信しながら、ローカル5Gの基地局が設置してある工場Aからスタートして工場Bに向かいます。工場Aから離れるにつれてローカル5Gの通信品質が悪化していきますが、SRF無線プラットフォームでは図1の青点線のように公衆網側にもバックアップ経路を用意しておき、SRF Deviceが無線の品質情報(受信信号強度など)を基にローカル5Gよりも公衆網の方が送信に適していると判断した場合に、図1の緑線のようにデータ送信経路を公衆網側に切り替えることで、通信品質を維持します。
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