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果物の王様ドリアン、開花の秘密は15日程度の乾燥にあり!

共同通信PRワイヤー / 2024年11月21日 14時0分

 ドリアンの開花や結実時期にはその地域の降雨季節性との相関が見られます。例えば、年に1~2度の乾季がみられる半島マレーシアではドリアンの収穫期は年1~2回で、乾季に開花が起こると言われてきました。また、先行研究により乾燥や低温といった気象条件がドリアンの開花誘導に関与している可能性が示唆されてきましたが、ドリアンの開花を誘導する具体的な気象条件はわかっていませんでした。


4.研究の詳細

 本研究では、ドリアンの野生種2種(Durio dulcisとDurio oxleyanus)が数年に一度の頻度で多くの樹種が同調的に開花、結実を行う一斉開花現象に同調することから、一斉開花現象のメカニズムがドリアンの開花トリガーに応用できると仮定しました。しかし、本研究対象である栽培種のドリアンは毎年開花するため、一斉開花現象のトリガーとなる数年に一度の頻度で発生する極端な乾燥や低温ではなく、毎年発生しやすい気象条件がドリアンの開花を誘導するという仮説を立てました。この仮説を検証するため、半島マレーシア南部に位置するマレーシア工科大学内の果樹園で栽培されている110本のドリアンの開花日データを収集し、マレーシア気象局から入手した気象データと比較することで、開花前にみられる乾燥と低温について分析しました。その際、果樹園内のドリアンは繁殖方法によって接ぎ木タイプと種子栽培タイプの2タイプに分けて分析を行いました。

 約1年半の調査の間に5回の開花が記録されました(図1)。半島マレーシアではドリアンの収穫期は年1~2回とされ、開花期も同様と考えられていましたが、2023年には3回の開花が観察されました。また、1~4回目の開花期の中央値に接ぎ木タイプと種子栽培タイプ間で有意差は見られず、繁殖方法は開花フェノロジーに影響しないことが示唆されました。


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202411190243-O1-atrayLEs

図1 ドリアンの開花フェノロジー。a. 接ぎ木タイプの初開花日の分布、b. 種子栽培タイプの初開花日の分布、c. 日降水量(mm)、d. 日最低気温(℃)。


 続いて、乾燥の程度を評価するため、5日間、10日間、15日間、20日間、30日間の降水量移動平均を算出し、5つの開花期との関係を調べたところ、すべての初開花日は15日間降水量移動平均が1mmを下回った約50日後に観察されたことが明らかになりました(図2)。この結果は、約15日間にわたる乾燥の蓄積がドリアンの開花を誘導している可能性が高いことを示唆しています。先行研究では18日間の連続無降水日(日降水量<1mm)がドリアンの花芽誘導に必要であるとされていましたが、本研究ではより弱い乾燥条件でドリアンの開花が誘導されていたと考えられます。

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