果物の王様ドリアン、開花の秘密は15日程度の乾燥にあり!
共同通信PRワイヤー / 2024年11月21日 14時0分
一方、本研究で明らかになったドリアン開花を誘導する気象条件は、一斉開花現象に同調する一部の樹種(フタバガキ科)の開花誘導条件と類似することが示唆されました。しかし、一斉開花現象に同調する樹種のシグナル蓄積期間が30日程度なのと比較して、ドリアンは15日程度と短いことも明らかになりました。半島マレーシアでは15日程度の乾燥は年に数回の頻度で発生します。実際、一斉開花の発生は2~5年に一度の頻度ですが、ドリアンは年に2度ほど開花しますので、このような乾燥に対する応答性がドリアンの開花頻度や季節性を決定していると考えられます。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202411190243-O3-AKW7K9N0】
図2 開花イベントごとの初開花日の分布と15日間降水量移動平均、最低気温との関係。青は種子栽培タイプ、赤は接ぎ木タイプ。
5.研究の意義と波及効果
本研究では、緻密な現地調査に基づいて、ドリアンの開花のトリガーとなる具体的な乾燥条件を明らかにしました。本研究の成果は、開花時期や収穫量の予測などドリアンの栽培管理の効率化に貢献するだけでなく、東南アジア熱帯雨林の生態や進化の解明に寄与することが期待されます。
6.用語解説
1) 開花フェノロジー:植物が花を咲かせる時期やパターンのこと、また開花時期と特定の季節や環境条件との関係
7.論文情報
<タイトル> Dry spells trigger durian flowering in aseasonal tropics
<著者名> Aoi Eguchi, Noordyana Hassan, Shinya Numata
<雑誌名> International Journal of Biometeorology
<DOI> 10.1007/s00484-024-02819-x
関連URL:https://kyodonewsprwire.jp/release/202411190243
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