EY Japan、ツーリズム産業における生成AIの影響に関するレポートを発表
共同通信PRワイヤー / 2024年11月26日 15時0分
EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:近藤 聡、以下EYSC)は、ツーリズム産業における生成AI(Artificial Intelligence)の利用とその影響に関するレポート「生成AIがツーリズム産業にもたらす影響」を発表しました。このレポートは、OpenAIによって2022年11月にリリースされたChatGPTをはじめとする生成AI技術が、ツーリズム業界にどのような変革をもたらす可能性があるかをまとめています。
AIの市場規模は2024年から2030年にかけて年平均成長率(CAGR)が35.5%に達し、市場規模は1兆8,400億米ドル(約276兆円)を超えると予測されています*1。また、生成AIの産業全体への適用により、2.6兆米ドルから4.4兆米ドルの経済効果をもたらし*2、世界のGDPを7%増加させる可能性があるとされています。*3
特にツーリズム産業では、APAC地域の旅行者の約60%がAIツールを利用しており、時間の節約、最適な価格の提供、正確な情報の取得、言語の壁の解消など、多岐にわたる利点が報告されています。宿泊産業においても、63%の業界関係者がレベニュー・マネジメントにAIを利用しており、データ分析や価格設定、市場分析などに活用されています。*4
現在のAIの活用の方向性は、大きく以下の3つの領域が挙げられます。
①パーソナル化
・過去の予約データ等を基に、よりパーソナライズされた旅行を提案する等、旅行者の満足度の向上
②自動化
・ツーリズム産業向けには、業務効率化と生産性の向上
・顧客ニーズの自動マッチング機能や旅行日程の自動手配
③コミュニケーションの深化
・リストからの選択ではなく、チャット形式のやり取りによるUXの向上(自動言語翻訳等を含む)
・アバター生成等によるコミュニケーションチャネルの進化(XR)
生成AIの台頭により、旅行業界では顧客向けのパーソナル化された情報提供が進んでいますが、適切なデータがなければ、AIは有効な解決策を提供できません。データの量と質が重要であり、特にパーソナライズには詳細な顧客データが必要です。しかし、旅行者の行動データだけでは、真のパーソナル化は難しく、旅行者の現在のニーズを反映するためには、より広範なデータが必要となります。企業はデータを収集するために、ロイヤルティプログラムやクレジットカードの消費データを利用していますが、中小企業にとってはこれが課題です。そこで、顧客自身がデータを管理し、必要に応じて企業に提供するVRM(Vendor Relationship Management)というアプローチが脚光を浴びると考えられます。これにより、将来的には個人がAIエージェントを介して、よりパーソナライズされたサービスを受ける時代が来るかもしれません。
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