【医師解説】年末年始の宴会シーズン対策 二日酔い対策のメカニズムと“復活”早める朝・昼ごはん
共同通信PRワイヤー / 2024年12月3日 10時0分
ちなみに、お酒の飲み過ぎによって起こす下痢によってアルコールやアセトアルデヒドが早く排出されると誤解している人もいるようですが、違います。この下痢は、アルコールの摂り過ぎや過食により腸粘膜が刺激を受け、腸の水分吸収機能が低下している状態で、飲み過ぎによる摂取水分過多の結果起こるもの。実はアルコールもアセトアルデヒドも、便からはほとんど排出されません。飲酒後の下痢は脱水につながり、余計にアセトアルデヒドの分解・排出を滞らせるだけなのを知っておきましょう。
アルコール摂取時に肝臓で起きていること
アルコールは、肝臓の中に存在するアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)という酵素により、有害なアセトアルデヒドに分解されます。さらに同じ酵素がアセトアルデヒドを酢酸に変え、酢酸は体内で最終的にエネルギーに利用されるか、水と二酸化炭素に分解されて無害な形で排出されます。このプロセスで発生する活性酸素種(ROS)が肝細胞に大きな負担をかけることが分かっています。
肝臓のアルコール分解には大量のエネルギーを消費するため、摂取後に体温が上がることもありますが、同時に肝臓での脂肪代謝が妨げられ、脂肪が蓄積しやすくなってしまうという弊害もあります。
お酒を飲むと太るのは、カロリーを摂ってしまうことのみならず、同時に脂肪代謝も低下してしまうことが一因です。
アセトアルデヒドの分解を促進する立役者が、タウリンという栄養素です。
タウリンは、魚介類に多く含まれるアミノ酸の一種で、肝臓の解毒作用を助けます。特に胆汁酸の分泌を促進し、アルコールの分解をサポート。また、肝細胞の再生を促進し、肝臓機能の回復も助けます。
10年以上毎日27 gエタノール(アルコール)を摂取している36~48歳の男性5人に、アルコール摂取1時間前・1時間後にタウリン(20 mg/kg 体重)を摂取させたところ、アルコール摂取1時間後には血中アルデヒド濃度が低下し、2時間後、4時間後に確認してもさらに低下していたことがわかっています。
(Res Commun Subs Abuse 1985; 6(4): 247-250.)
飲酒の前後には、魚介類などのタウリンを含む食品を積極的に摂取することで、二日酔いの軽減が期待できます。お酒のおつまみには、魚介類が非常におすすめです。
連日の宴会… 二日酔いからの復活を早める朝食や昼食は?
二日酔いを予防・軽減するためには、宴会シーズンの朝食や昼食においても、肝臓の働きをサポートすることを意識した適切な栄養素を意識したメニューを取り入れることがおすすめです。
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