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液体合成燃料の低コストな製造技術への挑戦

共同通信PRワイヤー / 2024年12月6日 15時0分

液体合成燃料の低コストな製造技術への挑戦

固体酸化物形電解セル(SOEC)共電解を用いた国内初となる液体合成燃料の一貫製造ベンチプラントが完成


ポイント

・ SOEC共電解とFT合成を組み合わせたエネルギー効率の高い液体合成燃料製造方法

・ 二酸化炭素と水から液体合成燃料を一貫製造するベンチプラントを開発して連続運転に成功

・ 化石燃料依存度を減らし、カーボンリサイクルの促進に貢献


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202412051174-O1-fjDR7bp5


概 要 

国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」という)エネルギープロセス研究部門 望月 剛久 研究グループ長、エネルギー・環境領域 高木 英行 研究企画室長(ゼロエミッション国際共同研究センター 兼務)、省エネルギー研究部門 田中 洋平 主任研究員らのグループは、一般財団法人 カーボンニュートラル燃料技術センター(以下「JPEC」という)と共同で、二酸化炭素と水から液体合成燃料を一貫製造するベンチプラントを開発し、連続運転に成功しました。


液体合成燃料はガソリン、軽油、ジェット燃料など内燃機関向けの燃料を代替可能なことから、既存のインフラを有効活用できます。そのため、二酸化炭素を利用して液体合成燃料を製造することはカーボンニュートラルを実現するための有力な技術として注目されています。


今回開発した一貫製造ベンチプラントはSOEC共電解とFT合成を組み合わせた製造プロセスを採用しており、従来のプロセスに比べて、より高い効率で液体合成燃料の製造が可能となります。SOEC共電解を用いたシステムとしては国内初の一貫製造ベンチプラントであり、その連続運転の成功により、製造コストの高さが課題であった液体合成燃料の実用化と社会への普及に向けて、さらなる研究開発の促進が期待されます。


下線部は【用語解説】参照


※本プレスリリースでは、化学式や単位記号の上付き・下付き文字を、通常の文字と同じ大きさで表記しております。

正式な表記でご覧になりたい方は、産総研WEBページ

https://www.aist.go.jp/aist_j/news/announce/pr20241206.html )をご覧ください。


開発の社会的背景

日本は2050年に二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量と吸収量の合計をゼロにするカーボンニュートラルを目指しています。その実現のためには、バイオマス発電などの再生可能エネルギーの利用拡大、二酸化炭素の直接回収、貯留、利用といったカーボンリサイクル技術の普及が必要不可欠です。カーボンリサイクル技術のうち二酸化炭素と水素を合成して製造される液体合成燃料は、ガソリン、軽油、ジェット燃料など内燃機関向けの化石燃料と同等の高いエネルギー密度を持ちます。液体合成燃料は、自動車や航空機、船舶といった輸送用燃料や工場、発電施設で使用される産業用燃料を代替可能なため、既存のインフラや内燃機関を有効活用できるという利点があります。一方で、製造コストが大きな課題となっており、エネルギー効率の高い製造システムの構築が求められています。

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