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骨格筋の再生医療に新展開! ―培養筋芽細胞の移植による筋量増加を実証―

共同通信PRワイヤー / 2025年1月15日 14時0分

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202501102731-O2-XzS0sA7C


GFPマウス由来の筋芽細胞を単離・培養し、生理食塩水またはECM溶液に懸濁して野生型マウスの骨格筋に移植した。3週間後に骨格筋を組織学的に解析した結果、ECM溶液を用いた移植群では、GFP陽性細胞(移植された細胞)の数が有意に多いことが確認された。


 さらに、細胞外基質の濃度を調整することで生着率に与える影響を検討しました。ECMの濃度を0.5 mg/mLから5.0 mg/mLまで段階的に増加させたところ、2.5 mg/mLでGFP陽性細胞が最も高い生着量を示しました。しかし、この条件下では筋線維間にコラーゲンなどECM由来のタンパク質が過剰に沈着し、線維化による筋機能への悪影響が懸念されました。

 そこで、移植する筋芽細胞の数を10倍に増やし、沈着の抑制を試みました。この手法では、生着細胞数がさらに増加し、コラーゲン沈着量も低減することが確認されました。また、マウスの前脛骨筋(ぜんけいこつきん)(重量約50 mg)に100万個(もとの10倍)の筋芽細胞を移植した場合、移植細胞が筋断面の約10%を占め(図3)、筋重量が約10%増加しました(図4)。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202501102731-O4-4T5yhia8


ECM濃度を増加させるとコラーゲン沈着が増加する一方、移植する細胞数を増加させることで、コラーゲン沈着量は生着した細胞量に比して抑制されることが確認された。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202501102731-O1-qNjQ2jzg


ECMの濃度を2.5 mg/mL、細胞数を100万個に設定して移植した場合、筋組織全体の約10%の面積を移植細胞(GFP陽性細胞)が占めるまで生着した。前脛骨筋の重量は細胞移植によって有意に増加した。


 本研究では、筋力への影響も検討しましたが、残念ながら筋力の有意な増加は観察されませんでした。さらに詳細な解析を行ったところ、移植されたGFP陽性細胞の多くが未熟で小型の状態であることが判明しました。このことから、細胞が筋線維として機能を発揮するまでには、これらを成熟させる必要性が示唆されました。しかし、移植細胞の周囲には運動神経や毛細血管が形成されていることも観察され、これらが成長すれば筋力増強につながる可能性があります。

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