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過去100年間における根尾谷淡墨桜の真の開花日・満開日・満開終了日・開花終了日を推測

共同通信PRワイヤー / 2025年2月6日 8時30分

 図3は、1924年〜2024年を対象に、1年あたり数十万回以上の計算をおこない推測した真の満開日の分布および観測値です。モデル入力データとして利用した観測値がない1988年以前では、推測された真の満開日の信用区間(図中細いグレーの点線)は、過去に遡るにつれて広がっていきますが、1955年〜1975年を除き(根尾谷淡墨桜の活性が失われ、花の咲かない年などが生じた期間)、推測された真の満開日の中央値の年々変動(図中太いグレーの実線)は、検証データの年々変動とよく一致していることが見てとれます。紙幅の都合上割愛しますが、岐阜地方気象台において観測された気象データを用いて、我々のモデルは、根尾谷淡墨桜の真の開花日・満開終了日・開花終了日の時間変化を同様に推測できました。




【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202501313659-O6-gXCo2mzq

図3 1924年〜2024年における根尾谷淡墨桜の真の満開日(真の満開の状態)の推測結果(論文中の図2を改変)。


 

今後の展開

 社会には、地域の人々により観測された生物季節の記録が数多く眠っていると考えられます。また現在では、XやInstagramなどのソーシャル・ネットワーキング・サービスやYouTubeなどの動画配信サービスに公開されたテキスト・画像・動画データにおいて、生物季節に関する記録が残されている場合があります。このような社会に広く存在する貴重なデータを気候変動研究に活用し、ある時代の気候のありさまを後世に伝えることは、現生人類が地球環境変動の理解を深め、持続的な社会を維持するために必要な課題のひとつになります。当研究チームは、社会に存在する記録データに対して新たな価値を与え学術的な活用を試みる「環境・社会データマイニングの開発」を推進していきます。


用語解説

1) 根尾谷淡墨桜:樹齢1500年余ともいわれる日本国指定(大正11年)の天然記念物に位置付けられる彼岸桜(Cerasus itosakura)。

https://www.city.motosu.lg.jp/category/2-18-0-0-0-0-0-0-0-0.html

2) ベイズ推定:ベイズの定理に基づいて、観測の結果からその原因や背景(見えない状態)を推論すること(参考文献:見えないものをさぐるーそれがベイズ 〜ツールによる実践ベイズ統計〜 藤田一弥著 オーム社 2016など)。

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