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農業素人の元デザイナー、今やハウス12棟で野菜生産 収穫体験人気、海外からの客も

京都新聞 / 2024年4月19日 14時0分

「ここに住みたい、農業に関わりたいと思える人を増やしたい」と語る山本さん(綾部市上八田町)

 京都府綾部市上八田町の農地にビニールハウス12棟を構える山本哲也さん(40)。うち、9棟で万願寺甘とう、2棟でミニトマトを栽培する。露地では、えびいもや花菜も育てる。新規就農して6年目。「ベジタブルプレイス」の看板も掲げ、収穫体験ができるようにした。「人が集まる場所をつくりたくて」と笑顔を見せる。

 舞鶴市出身。東舞鶴高から群馬県の大学に進み、卒業後は県内の印刷デザイン会社に就職した。撮影アシスタントやデザイン業務に携わり「会社員生活を満喫していた」。しかし、両親の「地元に戻ってきて」の一言でUターンした。

 実家でアルバイトや家業を手伝ううち、「漠然と農業がいいなと思うようになった」という。ドキュメンタリー映画などで担い手不足の現状を知った。「ひょっとしたら役に立てることがあるかも」と、親戚の畑でハクサイの収穫や種まきなどを手伝い、就農への決心を固めた。

 ただ、「農業の『の』の字も知らない素人だった」という。親戚から「農業大学校なら2年でそれなりのレベルになれる」と助言され、綾部市の府立農業大学校に入学。就農への学びが始まった。

 30歳の転機。1年目は農業高出身の若い同級生らの作業を見て話を聞き、写真を撮って日記をつけた。「苗の育て方、水のやり方も分からない。毎日必死だった」

 2年目は就農での独立を前提に自ら計画を立て、野菜の栽培や生産管理、収支を考えた。卒業間近、府の担い手養成実践農場整備支援事業を活用。ハウス栽培ができる上八田町の古民家に移住した。

 両親の協力も得て農業に励む。ベジタブルプレイスには京都市内や大阪、海外からも足を運ぶ人がいるという。万願寺甘とうの苗を見つめ「受け入れてくれた地域に貢献したい。ここで住みたい、農業に関わりたいと思える人を少しでも増やしたい」と夢を語る。

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