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「昭和史に防空頭巾とサクラかな」 92歳初の俳句集出版 自作の2万点から厳選

京都新聞 / 2024年5月2日 15時0分

40年近く書き記した俳句手帳などを基に初の俳句集を出版した後藤さん(福知山市三和町菟原下)

 福知山市三和町菟原下の後藤一郎さん(92)が初めての俳句集「道程(みちのり)」を自費出版した。「思ったことを端的に表現でき、前向きな気持ちになれる」と創作の魅力を語る。自然豊かな地域での暮らしや平和への思いを詠んだ約530句を収録した。

 後藤さんは旧福知山信用金庫に勤めていた50歳のころ、同僚の勧めで俳句の世界に足を踏み入れた。日常生活や旅先で書き記してきた俳句手帳は30冊を超えるという。退職後は三和町文化協会会長や市俳句連盟会長を務め、俳句文化の普及に取り組んできた。

 句集出版の準備は昨年から進めてきた。自身の2万句以上の作品から厳選し、制作年代ごとに5章に分けてまとめた。

 「昭和史に防空頭巾とサクラかな」といった句には、戦死した父親や近隣住民の追悼を込めた。「田植機に跨がり天下取れさうな」など農作業の楽しさを詠んだ句もある。

 「廃校の体育館に西日射す」「もう鳴らぬチャイム母校の桜かな」と、少子化で2019年3月に閉校した旧菟原小を題材にした句も収めた。

 後藤さんは「俳句を通じて地域の歴史や思い出を後世に残すことができ、感動している。これからも好きな俳句づくりを頑張りたい」と話している。

 A5判、189ページ。非売品。地域住民に配布したほか、市図書館三和分館や三和荘に寄贈した。

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