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『ルパン三世vsキャッツ・アイ』どっちが有能か 盗むより「残したもの」が大きい?

マグミクス / 2023年1月23日 18時30分

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■お祭り的なワクワク感が楽しめる「対決もの」

 古くは特撮映画『キングコング対ゴジラ』(1962年)や劇場アニメ『マジンガーZ対デビルマン』(1977年)、など、さまざまな「対決もの」が制作されてきました。異なる人気シリーズの主人公たちが同じ土俵で激突したら、どんな展開になるのか? 勝敗を度外視した、お祭り的なワクワク感が楽しめます。

 2023年1月27日(金)から、Amazon Prime Videoにて新作アニメ『ルパン三世VSキャッツ・アイ』が世界配信されます。怪盗同士の初競演に注目が集まります。

 モンキー・パンチ氏原作の『ルパン三世』、北条司氏原作の『キャッツ・アイ』は、どちらもアニメシリーズを東京ムービー(現在のトムス・エンタテインメント)が制作していたことから実現したクロスオーバー企画です。両作はアニメ界に多大な影響を与えたことでも知られています。

 本編の配信前に、まずは双方の実績を比べた前哨戦を実施したいと思います。

■時代を先取りし続けた『ルパン三世』

『ルパン三世VSキャッツ・アイ』で、ルパン三世はキャッツ三姉妹と同じ「獲物」を狙うことになる (C)モンキー・パンチ 北条司/ルパン三世VSキャッツ・アイ製作委員会

 1971年にTV放映された『ルパン三世』第1シリーズは、伝説のアニメとなっています。裏社会を舞台に、カーアクションあり、セクシー描写あり、どんでん返しあり……。実写映画さながらの大人の世界に、当時の子供たちは衝撃を受けました。

 第1シリーズの途中から、高畑勲&宮崎駿コンビが参加したことはあまりにも有名です。コミカルさを増しつつ、ウェルメイドな短編アニメとしての味わいがありました。演出によって、作品はこんなにも変わるものかということも驚きでした。

 あまりにも時代を先取りしすぎて、低視聴率で終わった第1シリーズでしたが、ローカル枠でのたびたびの再放送によって人気に火がつき、1977年から第2シリーズが開始。大野雄二氏の軽快なテーマ曲「ルパン三世のテーマ」が流れ、高視聴率を記録するようになります。

 劇場アニメ版の第2弾『ルパン三世 カリオストロの城』(1979年)もエポックメイキングな作品となりました。宮崎駿監督の手によって、ルパン三世は女性に優しく、悪党には容赦しない義賊的キャラとして確立され、幅広い人気を得るようになります。

 ルパン三世というキャラクターの大きな特徴は、ハードボイルドな世界に生きるシリアスな顔と峰不二子や銭形警部の前で見せるコミカルな顔が違和感なく同居していることです。二面性のあるキャラクターぶりは、その後の多くのマンガやアニメ作品に踏襲されることになります。

 次元大介や石川五右ェ門といった個性的な仲間たちと見せる抜群のチームワークも、日本のエンタメ界の人気フォーマットとして定着した感があります。

 モーリス・ルブランの小説『怪盗紳士ルパン』や「007」シリーズなどのスパイ映画をヒントにして生まれた『ルパン三世』ですが、ルパン三世が盗んだものよりも、今では彼が残した功績のほうが多いのではないでしょうか。

■アニソンのイメージを一新した『キャッツ・アイ』

キャッツ三姉妹は、父の消息をつかむ手がかりとされる3枚1組の絵を狙う (C)モンキー・パンチ 北条司/ルパン三世VSキャッツ・アイ製作委員会

 レオタード姿の美人三姉妹が闇夜を駆け、美術品を鮮やかに盗み出していく。おなじみ、北条司氏のマンガ連載デビュー作『キャッツ・アイ』です。1981年から「週刊少年ジャンプ」で連載が始まり、人気沸騰。1983年からTVアニメシリーズが開始されました。

 大人の色香が漂う長女の泪、抜群の運動神経とプロポーションを誇る次女の瞳、「ボク」が一人称の甘えっ子の末娘・愛。タイプの異なる3人の美女がヒロインという設定も、男性ファンを魅了しました。ド派手なアクションあり、内海刑事と瞳とのラブコメ要素ありの『キャッツ・アイ』は、アニメシリーズにぴったりの題材でした。

 杏里さんが歌う主題歌「CAT’S EYE」は、130万枚をセールスする大ヒット曲に。今なお、1980年代のシティポップを代表する曲として人気です。アニメソングのイメージも、「CAT’S EYE」の大ヒットから大きく変化していきます。1970年代には子供向けだった「テレビまんが」が、若者も楽しむ「アニメ作品」へと1980年代は変わっていったのです。『キャッツ・アイ』はそのことを認識させる象徴的な作品でした。

 1997年には林海象監督によって、実写映画『CAT’S EYE キャッツ・アイ』も制作されています。このときは内田有紀さん演じる愛が主人公で、泪には藤原紀香さん、瞳には稲森いずみさんが配されていました。

■ 峰不二子と三姉妹とのセクシー対決に期待

 ルパン三世は、2009年放映のTV版『ルパン三世VS名探偵コナン』、劇場版『ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』(2013年)で「対決もの」を経験済みです。TV版は視聴率19,5%(ビデオリサーチ、関東地区調べ)、劇場版は興収42,6億円と、ともに大ヒットを記録しています。

 Prime Videoで配信される『ルパン三世VSキャッツ・アイ』も、『ルパン三世VS名探偵コナン』と同様にトムス・エンタテインメントの制作なので、各キャラクターの見せ場がそれぞれ用意された内容になるはずです。女性に弱いルパン三世が、来生三姉妹に鼻の下を伸ばす姿が目に浮かびます。峰不二子と三姉妹とのセクシー対決にも期待したいところです。

 ちなみに来生三姉妹は、『劇場版シティーハンター 〈新宿プライベート・アイズ〉』(2019年)にもゲスト出演していました。このときは、泪役の声優・藤田淑子さんが亡くなっていたため、瞳役の戸田恵子さんが泪役も兼ねていました。今回の泪役は深見梨加さんが演じています。愛役は引き続き、TVアニメシリーズからの坂本千夏さんです。

 アニメ界を代表する「ルパン三世のテーマ」と大ヒット曲「CAT’S EYE」が、ひとつの作品で流れるのも話題となっています。怪盗たちは新しいファンのハートを盗むことができるのか、注目したいと思います。

(長野辰次)

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