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転売価格も大幅暴落…入手難続いた「PS5」の今

マグミクス / 2023年2月17日 15時10分

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■PS5がこれまで歩んできた、逆風の2年間

 PlayStationプラットフォームを武器に、ゲーム業界に大きな影響を与え続けてきたソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE)。同社の躍進は、人気を博すゲーム機の開発・販売をはじめ、名作のリリースやサブスクリプション展開など、幅広い分野に及んでいます。

 そんな同社が2020年にリリースした「PlayStation 5」(以下、PS5)は、次世代の体験を提供する最新のゲーム機としてデビュー。高価でハイスペックなパソコンと比べると性能面こそ一歩譲るものの、コストパフォーマンスに優れており、ゲームファンの新たな選択肢として大きな注目を集めていました。

 ですが、発売以降のPS5は、これまでのゲーム機とは異なる展開を迎え、予想外の動きを見せました。そして、発売から2年以上経った現在、また大きな節目を迎えつつあります。PS5に一体何が起きて、どのような状態を迎えているのか。未だに注目を集める最新ゲーム機の「今」に迫ります。

●家庭用ゲーム機として、異例の展開を歩んだ「PS5」

 過去のゲームと比べて高い性能を持ち、PlayStation 4ソフトも遊べる後方互換機能を搭載。高速SSDによるロード時間の大幅な短縮など、PS5はゲームファンの心を鷲掴みにしました。その注目度の高さから、予約は即終了し、発売日以降も容易く買えない日々が続きます。

 ですが、発売からしばらく経つまで入手しにくいのは、人気ゲーム機ではお馴染みのこと。Nintendo SwitchやPlayStation 4も、同じような展開を辿(たど)りました。そのため、発売日直後に買えなくとも、「年が明けた頃にはきっと買えるだろう」と考えた人が少なくありません。

 しかし、年が明けて2021年を迎え、さらに最初の一か月が過ぎても、PS5の販売形式は抽選販売がほとんど。また、申し込み件数に比べて当選者が少なく、需要と供給の大きな隔たりが一向に解消されません。

 今も多くの人に支持されているNintendo Switchは、発売直後はもちろん、人気タイトルの発売後やコロナ禍による巣ごもり需要など、幾度も品切れで入手しにくい時期がありました。ですが、店頭に並んでいつでも買える状況もたびたびあり、「誰でも買える」「入手難」を行ったり来たりしています。

 一方PS5の場合は、2020年11月の発売以降、2021年のみならず、2022年もずっと抽選販売が続き、抽選に落選し続ける人が多数。ゲリラ的に先着販売が行われれば、ネットでは即販売。実店舗なら購入希望者が大挙する事態になるなど、入手の厳しさが浮き彫りになります。

 供給の少なさはいくつかの理由があり、コロナ禍もそのひとつ。工場の稼働率が下がり、慢性的な半導体不足に悩まされるなど、向かい風の状況が続きます。また、転売目的の購入者の少なからずあり、抽選倍率の悪化に拍車をかけました。

 こうした向かい風が吹き続け、2022年11月を迎えてもなお、PS5は「入手しにくいゲーム機」という印象を変えるに至りませんでした。どれほど話題のゲーム機であっても、入手難が2年間ずっと続いたケースはまずありません。人気や関心の高さに加え、供給不足がこうした事態を招く要因となり、その結果チャンスロスが発生したほか、転売に阻まれた人たちが購入意欲を減退するなど、誰にとっても嬉しくない事態を引き起こします。

 海外まで含めると販売台数自体の伸びは一定の水準をクリアしており、悲観するレベルには至っていません。また、対応ソフトまで含めれば、遊べるゲームは数多く存在します。ですが、PS5専売タイトルはごく一部。そのなかには優れた作品もあるものの、カジュアル層にまで届くほど話題になったものは一握りに限られます。

 コアなゲームファンならPS5の詳しい動向をチェックしているため、その都度朗報も届きました。しかしカジュアル層からすれば大きく目立った動きはなく、「沈黙の2年間」と思われても仕方がありません。それほど、PS5の供給不足は大きな壁となって立ちはだかっていたのです。

■2023年に訪れたPS5の反撃

「DualSense」がもたらすハプティックフィードバックやアダプティブトリガーなどの体験も、PS5の普及により広がっていく

●2022年に改善の兆しを見せる

 需要に応えるほどの供給が訪れないまま、2年間が過ぎてしまったPS5。ですが、2022年から事態が変わる兆しが見え始めました。買いづらい状況が続き、供給元に対する不満が募っていた頃、SIEの関係者から改善を示唆するコメントが出始めます。

 SIEのCEOを務めるジム・ライアン氏は、「PS Partner Awards 2022」にて「長期的な供給の問題を解決」と発表し、年末から2023年に向けてPS5の販売状況が好転すると述べました。そして、同社に務める西野秀明氏も、ファミ通.comのインタビューにて、「2023年に入るとさらに状況は大幅に改善する見込み」と語ります。

 また、こちらはスクウェア・エニックスで『ファイナルファンタジーXIV』などを手がける吉田直樹氏が、同作の「プロデューサーレターLIVE」のなかで、日本に向けたPS5の供給が好転すると発言。年明け以降から、明るい見通しになると示唆しました。

 こうしたコメントに期待を寄せる人も多かったものの、2年以上も続いた入手難に警戒を続けるゲームファンもおり、状況の改善を訝しむ人もゼロとはいきません。ですが、2022年末から翌1月にかけ、事態が少しずつ変化していきます。

●2023年に好転し始めたPS5

 TwitterをはじめとするSNSでは、PS5が買えた・買えなかったといった報告が日常的に続いていました。ですが、年明け前後から、購入報告が目立つようになり、関係者の言及が実現している予兆が漂い始めます。

 年始のセールに合わせて集中して台数を用意しただけでは、といった懸念の声もありましたが、その後の抽選販売でも購入報告は相次ぎ、1月30日にはPlayStation公式Twitterが「PS5の供給量増加」を報告し、新たなCM映像を公開。また、PlayStation.Blogでも、「世界中のPlayStation取扱店で、より簡単にPS5をお求めいただけるようになりました」と明言されました。

●2年間の抽選販売にピリオド、各店舗が通常販売を開始

 SNSでの反応や公式の発言があったものの、その勢いは各店舗にまで届いているのか。PS5が今現在、どのような販売状況にあるのか、実際に調べてみました。「GEO」や「TSUTAYA」といったPS5取扱店は、それまで続けていたPS5の抽選販売を取りやめ、2月1日から店頭での販売に切り替えると発表。抽選に申し込む手間は不要となり、在庫があれば誰でもその場で購入できるようになりました。

 こうした動きはオンラインサイトにも見られ、「ノジマオンライン」も2月1日よりPS5の通常販売を開始。そして、「ビックカメラ.com」や「ヨドバシ.com」、「TSUTAYA」、「ジョーシン Wwebショップ」など、さまざまなオンラインサイトでも通常販売が始まっています。

 在庫の状況により品切れしている場合もありますが、多くの店舗で抽選が不要となり、丁寧に探せば在庫のある店舗を見つける確率が高い状況になっています。今後の推移でまた状況が変化する可能性はありますが、2月中旬時点においては、購入難が続いた2年間とは比べるまでもないほど、状況が一変しています。

 実際の店舗の状況を確かめるべく、「GEO」と「古本市場」の店舗にそれぞれ足を運んだところ、どちらも通常販売を実施していました。タイミングが悪く、「古本市場」のPS5は売り切れでしたが、「GEO」では在庫があり、そのまま購入できる状況でした。

 在庫の有無は店舗によってばらつきがあるので、「あそこにいけば確実に買える」とはまだ言えませんが、PS5購入のハードルが大きく下がってきたのは間違いありません。

* * *

「amazon」ではまだ、抽選形式の「招待販売」を行っていますが、中古品の出品を見ると6万円台が多く並んでいます。かつてのPS5は、中古価格でも8万円台や9万円台、一時期は10万円の大台に乗るケースもありましたが、こちらの状況も変化の波が訪れている模様です。

「駿河屋」のオンラインストアだと、品番によっては5万円台で販売されている中古品も。また、「メルカリ」などのフリマアプリ上でも6万円台の出品が中心となり、5万円台もちらほら見かけます。

 複数の問題が絡む供給不足、入手難による購入意欲の減退、転売の横行など、いくつもの逆風に晒された時間が続きましたが、長いトンネルは2023年にようやく終わろうとしています。ここからPS5がどのような一気呵成を見せるのか、ひとりのファンとして期待するばかりです。

(臥待)

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