オチついてる？ 斬新・自由すぎ！ 物議を醸した「衝撃最終回」のマンガ

■ネットでも広く語り継がれる最終回とは！

　マンガの最終回は、感動的なラストや、伏線を全て回収してスッキリするエンドを見せる作品も多いですが、なかには急な展開で物語を畳み、ある意味大きな話題となるものもあります。今回は最終回にまさかのオチをつけたマンガを振り返ります。

　まず紹介する『代紋TAKE2』（原作：木内一雄／作画：渡辺潤）は、主人公・阿久津丈二が死をきっかけに、10年前の過去に戻って2回目の人生をやり直すストーリーです。1回目の人生経験を武器に、ヤクザの世界でのし上がっていく展開が人気でしたが、最終回は突然訪れました。

　相手が自殺するという後味の悪い決着ながらも、宿敵・江原を倒し、ヤクザ業界の大物に成長した丈二は、自分のせいで死んだ仲間たちを思い「自分がタイムスリップしなければ」「失敗した」と思い悩むようになります。

　そして、彼は自分が1回目の人生で死んだ場所を偶然見つけました。その場所を訪れた丈二は、突然現れた江原の舎弟・内田の襲撃を受け、致命傷を負います。薄れゆく意識のなか、目にしたのは真っ暗な場所に映る「GAME OVER」を反転させた文字でした。なんと丈二はゲームソフト『代紋くん 成り上がれ極道の頂点』の主人公キャラだったのです。

　丈二の2回目の人生は、ゲームをプレイしていた子供がリプレイしたもので、1回目の人生経験を覚えていたのもそのためだったのです。丈二は2回目の人生の矛盾点などにも納得し、彼の3回目の人生「TAKE3」が始まるところで、物語完結します。

　今でも語り草のこのラストに関しては、「完全に予想してなかった凄い結末」「最初の方からずっと伏線張られてて適当な夢オチとは全然違うし、これはこれでアリ」など、後から納得できる伏線があったことを評価する声なども多数見られました。

「週刊少年サンデー」で連載されていた『焼きたて！！ジャぱん』（著：橋口たかし）も、衝撃の結末を迎えています。主人公の東和馬が「ごはん」に負けない日本独自のパン「ジャぱん」を作るために、パン職人への道を進むストーリーです。本作の見どころのひとつは、パンを食べたときの派手なリアクションで、臨死体験したり作風の違う寸劇が始まったりと、奇想天外なリアクションが楽しめました。

　最終章では、地球温暖化によって世界が水没してしまう危機を救うため、和馬はあるアイデアを実行するためにパンを作ります。そして、最終話直前では、和馬のライバルであり、多くのリアクション芸を見せてきた河内恭介が和馬のパンを食べて、格闘ゲーム「ストリートファイター」シリーズに登場する「ダルシム」に変身してしまいます。

　その後、ダルシムになった河内の力によって、世界中の陸地が浮き上がり、世界は水没の危機から救われました。これこそ東が思い描いた世界を救うアイデアで、想像通りのリアクションをしてくれた河内を東は大絶賛します。和馬は世界を救うパンを作ったことで国民栄誉賞を受賞し、ノーベル平和賞にもノミネートされ、最後はダルシムから元に戻れなくなっていた河内が「なんやて！？」と叫んで、同作は完結しました。

　こちらもSNS上などで「まさに笑撃のラスト」「『焼きたて！！ジャぱん』を超える衝撃的なラストのマンガにまだ出会ったことがない」「マンガのオチなんて何でもいいんだと世界を広げてくれた作品」と、今でも伝説のラストシーンが語り継がれています。

　最後に紹介するのは、「週刊少年ジャンプ」で連載されていた『幕張』（著：木多康昭）です。幕張南高校の野球部に所属する塩田鉄人と奈良重雄が、主人公の青春ギャグマンガでした。下ネタや、他のジャンプマンガのパロディネタを中心に展開されるギャグが人気を博した作品です。

　終盤では「最優秀高校生大会」での戦いがメインに展開されるも、最終回ではこれまでのストーリーとは関係なく、作者・木多康昭先生やスタッフがメインに描かれて、週刊連載のつらさを綴った心の叫びとさまざまな暴露話をしていきます。最終回でありながら、メインキャラの塩田や奈良らは登場せず、最後は木多先生が『幕張』の主人公は『とっても!ラッキーマン』などの漫画家・ガモウひろし先生だったと暴露（？）します。最後には見開きで「第一部ガモウ編完」と描かれており、まさに衝撃の最終回です。

「最終回は当時腹筋崩壊でした」「意味不明過ぎて忘れられない」「自由な発想だけど、忙しすぎて病院に胃の薬を取りにも行けないとか生々しい実情暴露も面白かった」と今も話題になっています。

（LUIS FIELD）