2024年に流行る「ゲーム実況」はナニ? 「2023年最も再生数が多かったゲーム動画」ランキングから考察
マグミクス / 2024年1月12日 18時10分
■どんなゲームタイトルが人気?
ゲーム動画は多くのアクセスが集まるYouTubeの人気ジャンルです。新作ゲームのPVやお気に入りのゲーム実況者の動画をチェックしている人は多いでしょう。昨年(2023年)12月、日本版YouTube公式ブログで「2023年日本のYouTube年間ランキング」が発表され、「国内トップゲーム動画」が1位から10位まで発表されました。この記事では多くの再生数を獲得したゲームとその傾向を考察します。
●やはり任天堂が強い! 高順位に複数タイトルが食い込む
「国内トップゲーム動画」ランキングで最初に目につくのは、TOP10のうち4本を占める任天堂関係の動画です。1位に『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』、2位に『マリオカート8 デラックス』、7位に『スプラトゥーン3』がランクインしています。
そして4位は「Nintendo 公式チャンネル」の配信動画『Nintendo Direct 2023.2.9』でした。おそらく『ゼルダの伝説 ティアーズオブキングダム』の発売前情報があったからでしょう。前作『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』の続編を待つファンの高い期待感がうかがえます。
2023年の「国内トップゲーム動画」に、ゲーム・オブ・ザ・イヤー2023を争った『ゼルダの伝説 ティアーズオブキングダム』の実況動画がランクインしているのは当然とも言える結果ですが、『マリオカート8DX』は2017年、『スプラトゥーン3』は2022年のタイトルです。たとえ人気作であっても、時間の経過とともにプレイヤーの興味は離れていくものです。いまだにゲーム動画に需要があるということは、プレイヤーの興味が持続している証拠だと言えるでしょう。
その理由として『マリオカート8DX』はパーティゲーム、『スプラトゥーン3』はオンライン対戦ゲームとしての需要が根強く、有力なライバルとなるタイトルが見当たらないせいかもしれません。また2018年に発売された『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』はTOP10に入っていませんでしたが、2024年時点でも多くの動画が投稿され続けています。任天堂の作品には、長く遊び続けられる普遍的な魅力があるようです。
■多くのアクセスを集めるクリエイト系ゲーム
累計1200万本を超える都市開発シミュレーションゲームの大ヒット作。画像は『Cities: Skylines』(Paradox Interactive
任天堂の次に目立つのはクリエイト系のゲームです。3位と6位は世界で最も数多く売れたサンドボックスゲームの大傑作『Minecraft』、5位に都市開発シミュレーションゲームの『Cities: Skylines』がランクインしています。それぞれ2011年、2015年にリリースされており、もはや定番化したといっても良いでしょう。管見の限りにおいて、長く遊び続けているプレイヤーが多いようです。
『Minecraft』と『Cities: Skylines』の共通点は正解を見つけ出したり、最適化したりすることだけが目的にならない点です。プレイヤーの発想次第でプレイ目的を無数に設定できる自由度の高さが、ロングテールの定番作品になった理由だと考えられます。こういったタイトルを高いクリエイティビティとトーク力を持つYouTuberが実況すれば、その面白さは無限大に広がります。実況動画を通じて「こんな遊び方もできるのか」と驚いたプレイヤーも多いことでしょう。
●8位から10位はスーパープレイや配信者の魅力
8位は、自身のアバターから仮想空間の作成まで何でもできるバーチャルユニバース『Roblox(ロブロックス)』を使って、妊娠から出産までを物語仕立てにした動画、9位は2023年にバズった『スイカゲーム』、10位はリズムゲーム(音ゲー)の『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』のスーパープレイでした。
この3本はゲーム自体の魅力だけでなく、配信者個人の資質が動画の再生数の大きな要因になっているように見えます。凝った編集やプレイの極みを見たいという需要に応えたものだと言えるでしょう。
●2024年も任天堂がトップを独占か!?
以上が2023年のゲーム動画ランキングTOP10でした。2024年は昨年10月24日に発売された『Cities: Skylines2』や、2024年2月16日に発売予定の『マリオvs.ドンキーコング』の動画が多くの再生数を獲得するかもしれません。都市開発の楽しさや協力プレイの面白さが動画再生数につながるのは間違いないでしょう。
また2024年1月25日に発売される『不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録』も気になるところです。ランダムに生成されるダンジョンや、レベル上げによるパワープレイができないゲームシステムには実況動画の需要が見込めそうです。2024年も新作ゲームが続々登場します。ゲーム動画は今年も人気のジャンルであり続けるでしょう。
(レトロ@長谷部 耕平)
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