「アニソンを有名アーティストが歌う」のはかなり前からだった! 40年以上前にも意外な事例が
マグミクス / 2024年2月13日 7時10分
■アニソンは世界への扉になった
近年、有名なアーティストがアニソンを担当することが増えています。アニメに起用されることで世界中への発信が可能になったことが大きく影響していますが、40年以上前にも力のあるアーティストがアニソンを担当していた事例は数多く存在しています。アニソンの歴史の一端を紐解いてみました。
2023年、『チェンソーマン』がTVアニメ化された際には、オープニングを米津玄師が担当し、エンディングをVaundyやマキシマム ザ ホルモンなど有名アーティスト12組が毎話ごとに入れ替わりで登場することで話題を呼びました。現在放送中の人気作『葬送のフリーレン』でも、初期オープニングテーマにYOASOBIの「勇者」が、後期オープニングテーマではヨルシカの「晴る」が採用されるなど、強力なタイトルに有力なアーティストが起用されるのは当たり前のこととなっています。
また、YOASOBIが担当した『【推しの子】』のオープニングテーマ「アイドル」はわずか5週間でストリーミング再生回数1億回を突破。日本を含む世界200か国を超える世界の国・地域からなるグローバルチャートであるBillboard Global 200チャートでは、日本のアーティストとして最高位となる7位を獲得するなど、日本のアニソンは世界の超一流の楽曲と同等に渡り合うだけの評価を得ています。
日本国内においても、年末のレコード大賞にアニソンがノミネートされることが増えています。2020年にはLiSAが担当した『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の主題歌「炎」が大賞を受賞しました。続く2021年はLiSAによるTVアニメ『鬼滅の刃 無限列車編』のオープニングテーマ「明け星」が優秀作品賞を受賞。さらに、2022年はAdoの『ONE PIECE FILM RED』テーマソング「新時代」が優秀作品賞を受賞しました。日本のアニメが世界で人気を獲得し続ける限り、この流れが止まることはないでしょう。
しかしながら、アニソンはかつて「童謡扱い」されており、数段低い扱いを受けていたジャンルでした。アニソンの歴史を変えた名曲「CAT’S EYE」も、ボーカルの杏里が「アニソン歌手」としての色が付くことを恐れて、当初はレコーディングを拒否したというエピソードがあります。また、織田哲郎が『装甲騎兵ボトムズ』のオープニングを担当した際には、「TETSU」と別名義を使用しています。
それでも、名アーティストたちが過去に手掛けたアニソンは数多く存在しています。そのほんの一部を紹介します。
■1970年代にも有名アーティストがアニソンを歌っていた
アニソンの歴史を変えた名曲、杏里「CAT'S EYE」EP盤
1970年代では、『電子鳥人Uバード』のオープニングとエンディング曲を当時のトップアイドルであるフォーリーブスが、劇場アニメ映画『ルパン三世 ルパンVS複製人間(クローン)』の挿入歌「ルパン音頭」を三波春夫が担当するなど、数は少ないものの有名アーティストが起用された事例があります。この時期で最も大きなインパクトを残したのは、ゴダイゴが担当した映画『銀河鉄道999』の主題歌「銀河鉄道999」でしょう。それまでロックやポップを使ったアニメソングがなかった時代に、作曲を担当したタケカワユキヒデの情熱が生み出した名曲です。
80年代に入ると「CAT’S EYE」を経て、アニメソングは童謡から歌謡曲へと大きく変化していきます。84年にはクリスタルキングが『北斗の拳』のオープニングテーマ「愛を取り戻せ!!」を、翌85年には岩崎良美が『タッチ』のオープニングテーマ「タッチ」を担当しています。なおこの両曲は当初は非課税の童謡扱いでしたが、国税局により「童謡に該当せず、課税対象」と判断され、追徴課税を受けています。
また、TVアニメ『ハイスクール!奇面組』ではおニャン子クラブの派生ユニット「うしろゆびさされ組」が多くのオープニングとエンディングテーマを、『超獣機神ダンクーガ』では後に「C.C.ガールズ」のメンバーとなる藤原理恵がオープニングテーマを担当しており、アイドルの進出も顕著となってきました。
90年代には有名アーティストの本格参戦が当たり前の状況となっており、94年にはSMAPの「君色思い」が『赤ずきんチャチャ』のオープニングテーマに、『D・N・A2 ~何処かで失くしたあいつのアイツ~』のエンディングテーマとしてシャ乱Qの「シングルベッド」が採用されています。
90年代後半に入るとTVアニメ『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』ではPENICILLINの「ロマンス」がオープニングを飾りました。さらに、『∀(ターンエー)ガンダム』ではオープニングに西城秀樹、エンディングに谷村新司と超一流のアーティストが起用されています。
JUDY AND MARYが担当した『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の初期オープニング「そばかす」は、作風に合っていなかったため物議を醸しました。しかしこれには致し方ない側面もあり、急にタイアップが決まって2日で作曲をしなければならず、しかもどんな作品か教えてもらえなかったため、『キャンディ・キャンディ』をテーマにしたそうです。
今となっては有力アーティストの起用が当たり前となったアニソンですが、『鉄腕アトム』から始まった60年以上のアニメの歴史が積み重ねてきた蓄積は膨大な量となっています。あなたがまだ知らない名曲を探してみるのも面白いかもしれません。
(早川清一朗)
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