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『フリーレン』アウラ快進撃の謎 たった数分の出演で人気大爆発の要因は3つある?

マグミクス / 2024年3月14日 21時40分

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■500年を生きた大魔族アウラ

 TVアニメ『葬送のフリーレン』では数分、原作マンガでもわずか数ページしか出番のなかったアウラですが、SNSでの人気はいまだ衰えません。二次創作イラストを漁っている人のなかには、フリーレン一行にアウラが加わっていたかのような錯覚をおぼえるほどです。またSNS上での盛り上がりから『葬送のフリーレン』を視聴するまで、アウラを主要キャラと勘違いしていたという人までみられました。

 何故こんなにもアウラは人気キャラになったのでしょうか。アウラ快進撃の謎について考えてみます。

●人気キャラになるのに派手な戦闘シーンは必要ない

 魔王直属の「七崩賢」のひとり、断頭台のアウラは服従の天秤に相手の魂を乗せることで自分よりも魔力の小さい相手を従属させる魔法「アゼリューゼ」でフリーレンと戦いました。500年を生きた大魔族であるアウラの手にかかれば大軍団を操れるほど強力な「アゼリューゼ」ですが、魔力量で負ければ自分が操られるはめになります。

 魔力を偽装していたフリーレンの実力を見誤ったアウラは自滅につながる魔力量比べの結果、自ら首を落とす羽目になりました。ふたりの決闘は抑制的な演出のなか、主に会話劇だけで決着がついたのです。血を操る魔法でフェルンと死闘を繰り広げたリュグナーや、重量感のある戦斧のアニメーションが印象的なリーニエとはまるで違う戦いでした。

 こうして自決したアウラの人気は圧倒的です。セリフの数や登場カット数、バトルシーンの派手さはアウラの人気とはまるで関係がないように見えます。出番が多ければファンの心に「刺さる」とは限らないのでしょう。アウラの人気の秘密はファンの心をくすぐるキャラクター性と、ネットミーム化されやすいセリフにあるのかも知れません。

■「アウラ、自害しろ!」わからされたアウラ

 二次創作のジャンルは多彩です。そのなかは「メスガキわからせ」という一般的には不謹慎とも取られかねないジャンルがあります。これは実力で劣るにも関わらず生意気な態度を取る少女(メスガキ)を実力で圧倒して屈辱を与える(わからせる)というもので、同人誌販売サイトなどを見る限りにおいて、一部の「紳士」に愛好されているようです。

 作中でのアウラはまさに「メスガキわからせ」ジャンルのテンプレートがそのまま当てはまるような展開を辿りました。500年もの長きを生きて魔法の研鑽を積んだことによる慢心からフリーレンを見下していたアウラが逆に「わからされた」のです。

 加えて貴族らしい装いをした配下に対し、アウラだけ「へそ出し」で体の線がよく見える衣装をまとっていたこと、扇情的なピンク色の髪をしていたこともファン心理をくすぐりました。

 さらに魔力量比べで徐々に不安げな表情を浮かべ、最後は悔し涙を流しながら自決した展開や、首に剣をあてたカットのクオリティが尋常ではなかったこともアウラ人気の理由に数えられるでしょう。アニメを制作したMADHOUSEがXでアウラが首に剣をあてるシーンの原画を投稿したところ、4万いいねと1万リツイートを超える反響があったほどです。

 またフリーレンが言い放った「アウラ、自害しろ」というセリフも印象的でした。SNS上には「アゼリューゼ」で服従させたアウラに向かって、さまざまな無茶振りをするフリーレンが多数描かれています。恥ずかしい自撮りをSNSにアップさせたり、アイドル活動を強制したり、落語家に入門させたりと今でも大喜利が投稿され続けています。この人気はフリーレン一行と比較できるほどの盛り上がりではないでしょうか。もはやファンの間でアウラは感情のない魔族ではなく、一種の萌えキャラになったようです。

 アニメでは塵になって消えてしまったアウラですが、昭和の特撮だったらメカアウラや再生怪人アウラとして登場してもおかしくない、というのは言いすぎでしょうか。

●アウラ、主人公になれ!

 2024年3月2日、SNSの公式アカウントによれば『葬送のフリーレン』の前日譚の小説が発売されるとのことです。2024年4月17日に発売される前日譚は原作者である山田鐘人氏の監修のもと5人の異なる主人公の短編が収録されており、そのなかにはなんとアウラが主人公のエピソードが含まれています。

 この企画がいつから始まっていたか定かではありませんが、アウラ人気の盛り上がりが、彼女をフェルンやシュタルク、カンネ&ラヴィーネに加え、短編の主人公にするという決定につながった可能性はありえるのではないでしょうか。

 前日譚の短編とはいえ、主人公にまで昇格したアウラは、いったいどのような物語が描かれるのでしょうか。アウラの快進撃はまだまだ続くのかも知れません。

(レトロ@長谷部 耕平)

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