危なすぎて最近の『ドラクエ』ではマイルドに？ 気づいたら無くなってた「定番要素」

■謎の多かったステータスのひとつが消滅？

　日本を代表するRPG「ドラゴンクエスト」シリーズは、1986年に発売されたファミコン版の初代から始まり、現在も新作が制作されている作品です。今のところ11作のナンバリングタイトルがリリースされています。

　その長い歴史のなかで、いつの間にか見なくなったシステムや設定が存在するのをご存知でしょうか。そこで今回は昔は定番だったものの、フェードアウトしてしまった要素を振り返ります。

●何に影響するのかピンとこないステータス「運の良さ」

「ドラクエ」シリーズのキャラには、各種能力を示すステータスが存在します。ステータスには「こうげき力（攻撃力）」「しゅび力（守備力）」といった分かりやすいものから、「うんのよさ（運の良さ）」という漠然とした項目までありました。

　この「うんのよさ」が初登場したのは、ファミコン版『ドラクエIII』のことです。説明書には「戦闘中のあらゆるところで、運の良さは発揮されます。逃げるときや、敵に呪文をかけられそうになったときなど、役に立つでしょう」と解説されていました。

　しかし、ファミコン版の公式ガイドブックには「敵の攻撃から身をかわす確率が高くなるかも」と、書かれており、どちらが正しいのかよく分かりません。

　結局「うんのよさ」は、ナンバリングタイトルでは『ドラクエV』を最後に、ステータスの項目から消えてしまいました。やはり効果が分かりにくかったうえに、プレイしていても実感しにくいのが理由だったのかもしれません。

　ちなみに「うんのよさ」というだけに、モンスター格闘場やカジノで賭け事をやるときに影響しそうですが、実際はまったく関係のないステータスでした。

■時代も影響した？　「ドラクエ」シリーズから消え去りつつある要素

『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』（画像は同作のAndroidアプリ版）　(C)1987, 2014 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved

●一か八かの謎の呪文「パルプンテ」

　昔から「ドラクエ」シリーズを遊んでいるプレイヤーなら「パルプンテ」の呪文は聞き覚えがあるはずです。ファミコン版『ドラクエII』で初登場したパルプンテは、唱えるたびにランダムで異なる効果が発生する不思議な呪文でした。

　発動効果はシリーズごとに微妙に異なりますが、敵全体を眠らせたり、恐ろしい存在を呼び出して敵が逃げ出したりするような良い効果だけでなく、味方が不利になる効果が発動することもあるので、完全に運任せな呪文です。

　ギャンブル好きな人にとっては面白い呪文かもしれませんが、重要な冒険時に多用できるような呪文ではなかったのも事実です。

　そのせいか、呪文としての「パルプンテ」を味方が習得できるのは『ドラクエVII』までで、それ以降は特定の職業の必殺技になっていたり、限られた敵が唱えたりするだけの呪文になってしまいました。

●過激な部分がトーンダウンした「あぶないみずぎ」

　MSX、MSX2版の『ドラクエII』で初登場したのが「あぶないみずぎ（危ない水着）」です。その名の通り、際どいビジュアルの水着装備で、MSX版では、この装備を身につけたムーンブルクの王女が拝めるサービスショットまで用意されていました。

　ファミコン版『ドラクエIII』にも「あぶないみずぎ」は登場し、装備するとフィールド上の女性キャラがしっかり水着姿（まほうのビキニも同様）になるという気合の入れようです。

　公式ガイドブックには「あぶないみずぎ」をまとった女賢者の姿が描かれていましたが、おヘソのあたりが大きく露出した、かなり過激なデザインだったことに衝撃を受けた人も多いことでしょう。

　それ以降のシリーズにも「ピンクのレオタード」や「エッチなしたぎ」、「あぶないビスチェ」といったセクシー系の装備は受け継がれましたが、肝心の「あぶないみずぎ」は『ドラクエIX』や『ドラクエXI』に実装された際は大幅に露出度が低下。どちらかというと健康的なデザインの水着になっていました。

　万人から長く愛され続けている「ドラクエ」シリーズだからこそ、それぞれの時代に合わせて変化することも必要だったのかもしれません。

（LUIS FIELD）