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ドラクエの最大の敵? 「性能差2000倍」ファミコンと最新機のスペック差に衝撃

マグミクス / 2024年3月16日 21時40分

ドラクエの最大の敵? 「性能差2000倍」ファミコンと最新機のスペック差に衝撃

■ファミコンブームによって「マイナーCPU」が一躍有名に?

 1983年に任天堂が発売した「ファミリーコンピュータ(以下、ファミコン)」は、社会現象になるほどの爆発的ヒットを記録した家庭用ゲーム機です。

 今から約40年も前に開発されたハードのため、ファミコンと現在のゲーム機と比較すると、当然比べものにならないほどのスペック差が存在しますが、それでも当時のプレイヤーを熱狂させました。

 発売当時、圧倒的に高性能だったファミコンには、リコー製の「RP2A03」という8ビットCPUが搭載されています。この「RP2A03」はアメリカの「モステクノロジー社」が開発した「MOS 6502」をベースにカスタムされたものです。

「MOS 6502」の改良型はアメリカの家庭用ゲーム機「Atari2600」などに採用されましたが、日本ではマイナーなCPUでした。しかし、当時ライセンス取得の見通しが立っていたリコーから提案され、任天堂も検証した結果「MOS 6502」がファミコンに採用されることになります。

 その後にファミコンの大ヒットで広く普及したことで、「MOS 6502」を扱えるプログラマーが増加。一気にメジャーなCPUへと駆けあがりました。

 今となってはレトロゲーム機と呼ばれるようになったファミコンですが、現行のゲーム機と比較した場合、どのくらいスペックに差があるのでしょうか。

 まず性能の指標のひとつである「CPUのクロック数(CPUが処理を行う際に発する信号を扱う速さ)」で比較してみます。ファミコンは1.79メガヘルツなのに対し、「PlayStation 5」の場合は3.5ギガヘルツです。「メガ」と「ギガ」の時点で大きすぎる差があり、単純に数値だけを比較すると、おおよそ2000倍近くの差があることになります。

 さらにファミコンソフトの容量の少なさにも驚かされます。ファミコンで最大の容量を誇る『メタルスレイダーグローリー』(1991年/HAL研究所)は1メガバイト(8メガビット)です。

 同作は4年以上の制作期間(企画段階を含めると約6年とも)を費やして作られましたが、そのゲームの容量は1メガバイトにすぎません。今の感覚だと、4年もかけた作品の容量が1メガバイトと聞くと「たったそれだけ?」と驚く人が多いことでしょう。

 スマホで撮影した写真画像が1枚で1~4メガバイトほどの容量だと考えると、『メタルスレイダーグローリー』はスマホの画像1枚以下のサイズになります。

 ちなみにファミコンでもっとも売れた『スーパーマリオブラザーズ』の容量は40キロバイトなので、こちらは写真1枚の数十分の1のサイズになります。

 それを踏まえるとファミコンの時代の開発者は、「いかに少ない容量でプレイヤーを楽しませることができるか」に苦心したはずです。実際に名作といわれるゲームタイトルも、ファミコンの少ない容量に対応すべく、さまざまな工夫が施されていました。

■容量との戦いの末に誕生した「主人公のカニ歩き」

これぞ「カニ歩き」。常に正面を向いている初代『ドラクエ』の主人公!

 ファミコンソフト開発において、限られた容量との戦いは重要なポイントといえます。その苦労がよくわかる作品として有名なのが、1986年に発売された初代『ドラゴンクエスト』(容量:64キロバイト)です。

『ドラクエ』の生みの親である堀井雄二氏によれば、少しでも容量を切り詰めるために、カタカナは20文字に抑えることになったそうです。そのため固有名詞を命名するときに制約が生まれました。

 たとえばラストダンジョンの「竜王の城」に出現する「ダースドラゴン」は、もともと「ダークドラゴン」と命名したかったそうです。しかしカタカナの「ク」が使えなかったため、やむを得ず「ダースドラゴン」になりました。

 また初代『ドラクエ』の主人公は移動中、どの方角に歩いてもずっと正面を向いているため、一部のファンからは「カニ歩き」と呼ばれています。これも少しでも容量を確保するために、横向きや後ろ向きのグラフィックを削ったことが理由でした。

 ちなみに2作目の『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』以降は容量が増え、主人公たちはキチンと4方向分のグラフィックが用意されています。

 それにしても、わずか64キロバイトの容量で、あれだけのクオリティのRPGを作り上げ、それを国民的タイトルにまで押し上げたのですから、ファミコンの『ドラゴンクエスト』は堀井雄二氏をはじめとする制作陣の努力と工夫が詰まった作品といえるでしょう。

(LUIS FIELD)

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