「容赦ないグロ」「ゲームとして成立してない」安易にオススメできない名作ゲーム3選
マグミクス / 2024年3月20日 21時55分
■支離滅裂な世界観、食欲がなくなるグロ描写…なのに中毒性アリ?
世の中には数々の名作といわれるゲームが存在するなか、万人受けはしないものの「良ゲー」として認められるタイトルもあります。しかし、そういったゲームタイトルは定番のゲームシステムではなかったり、過激で残酷な描写が登場したりと、プレイヤーから「良作だけど人に勧められない」と思われてしまいがちです。今回は、「面白いけれど万人にはオススメできないゲーム」3作を見ていきます。
●『せがれいじり』
初めてプレイした時に、理解不能な世界観に驚いた人も多いであろうPlayStation用ソフト『せがれいじり』は、まさに「安易にオススメできない」タイトルです。
1999年6月にエニックス(現:スクウェア・エニックス)から発売された同作は「プレゼントに最悪」というCMのキャッチコピーで売り出されました。公式サイトでは「『おバカに徹する』と言うコンセプト」「ある意味『おバカ』につけるリトマス試験紙です」と説明されています。ちまたでは「伝説のバカゲー」ともいわれています。
ゲーム内容は、矢印の頭に手足が生えた「せがれ」を操作し、フィールド上に現れる謎のオキモノに触れて、そこで出題される「作文ゲーム」を答えていくというものです。プレイヤーの回答次第で、その後の展開が変わっていきます。
「うんこ」というワードがたびたび登場したり、顏が人で体が牛の「くだん」という不思議なキャラが出てきたりするなど、その理解不能な世界観に、小学生の頃にプレイした際は驚かされた記憶があります。「作文ゲーム」で文章の選択を終えると、その文章に沿ったアニメーションが流れます。どれも意味不明な内容なのに、なぜか違う組み合わせの文章の映像も見たくなるという、謎の中毒性がありました。
実際にプレイした人からは、「説明書の『せがれをいじることで大きくするゲーム』で爆笑した」「クソゲーに見せかけた名作です」「バランスが絶妙なバカゲー」といったレビューがあがっています。ちなみに、2002年には続編である『続せがれいじり 変珍たませがれ』が発売されました。
●『リンダキューブ』
※以降の本文中には、『リンダキューブ』に関する詳しい記載があります。閲覧にはご注意下さい。
1987年にNECホームエレクトロニクスから発売された家庭用ゲーム機「PCエンジン」の「鬱ゲー」といえばアルファ・システムの『リンダキューブ』(1995年)が有名です。その後に人気を博して、さまざまなアレンジが加えられたPlayStation版、セガサターン版といった、移植タイトルも発売されました。
本作は「サイコスリラー+ハンティングRPG」というジャンルで、「サイコスリラー」の名の通りに、作中ではグロテスクな描写や胸をえぐるようなエピソードが展開されます。世界線が違う3種類のシナリオが用意され、そのうちのAとBには特にサイコパスな人による奇行やバイオレンスなシーンが多く描かれていました。
たとえばAの場合は、ヒロイン「リンダ」の父親である「ヒューム」が黒幕で、ヒュームはリンダの母親「アン」を自身の体に移植していたという残酷な事実が明かされます。そしてBの序盤では、リンダの父と母が何者かに殺されてしまい、リンダも四肢を切断されるという、重めの展開が繰り広げられます。
いまだに名作として語り継がれていますが、ネット上では「残酷描写はかなりグロテスクなので、安易にオススメはできない」「容赦ないグロ描写。覚悟がない人はトラウマになると思う」などの声があがっていました。グロ耐性によってプレイできる人は限られるといっても、作品自体の評価は高いことには変わりありません。
■大学生の人生に「介入」する、マイナーすぎるジャンル
PlayStation 2リメイク版『ROOMMANIA #203』(セガ)
●『ROOMMANIA #203』
最後に紹介するのは、「コアなファン」に受けたタイトルで、1998年にセガから発売された「ドリームキャスト」の『ROOMMANIA #203』(2000年)です。
本作はとあるアパートの一室に住む大学生「ネジタイヘイ」の人生を、「神視点」となったプレイヤーの操作によって決めていく「人生介入型アドベンチャーゲーム」です。アドベンチャーゲームといえば、用意されたさまざまな選択肢を選び、その選択によって分岐していくという流れが一般的です。本作の特徴は「神視点」となったプレイヤーがネジの部屋にちょっかいを出すという「覗きパート」が採用されている点です。
プレイヤーは、ネジの部屋のなかで気になる部分にボールを投げることができます。ボールを当て続けると、ネジがその場所に向かい、そのボールを当てた部分に関連した動作をします。たとえば窓にボールを当てれば「カーテンを閉める」という動作に発展するのです。また、プレイヤーは「ガサ入れ」も可能で、「雑誌を隠す」「扉の鍵を締める」など、部屋のなかの一部を変化させることができます。
こうしてふたつのモードを繰り返すことで、ネジの人生は「鏡の中の世界に行く」「チャットで伝説のハッカーに出会う」など予想外な展開に発展します。その奇想天外なストーリーをネジとともに体感できるのが、本作の大きな魅力のひとつです。
ただ、プレイヤーのやれることが少ないゲーム性のため、名作といわれているものの「セガのマイナー着眼点を見事に体現したゲームなので、ノーマルユーザーには絶対にオススメできない」「プレイ要素が少なくて単調だし、ゲームとして成立しているか疑うレベル。でも、ストーリーはめちゃくちゃ面白い」といったレビューがあがっていました。
その後に、PlayStation 2で2002年にリメイク版、2003年に続編の『ニュールーマニア ポロリ青春』が発売されています。以降、新作は発表されておらず、コアなファンから最新機での復活が熱望されているようです。
(LUIS FIELD)
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