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「ガンダム」装甲素材に「ルナ・チタニウム」「ガンダリウム」とふたつ呼称があるワケ

マグミクス / 2024年5月10日 6時25分

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■「ガンダリウム合金」は一年戦争時代には存在しなかった…?

『機動戦士Zガンダム』から登場した「ガンダリウム合金」。作中では「RX-78 ガンダム」に使用されていたといわれていましたが、『機動戦士ガンダム』では「ルナ・チタニウム」と設定されていました。はたしてどちらが正しいのでしょうか。

 ちなみにアニメ本編では、ルナ・チタニウムという単語は出ていません。設定上にあるだけでした。あくまでもアニメ本編での「ガンダム」の装甲は、普通のMS(モビルスーツ)に比べて桁外れであること示唆しているだけです。実際に「ザク・マシンガン」を弾くなどの描写で表現されていました。

 このルナ・チタニウムは「RX-75 ガンタンク」と「RX-77 ガンキャノン」にも使用され、主人公チームの打たれ強さを設定面でフォローしているといえるでしょう。こうした設定面でのリアルさが、『ガンダム』という作品の魅力のひとつとなっています。

 ところが続編となる『機動戦士Zガンダム』では、新たにガンダリウム合金という名称が出てきました。そして、このガンダリウム合金は上述のように、RX-78ガンダムに使われていたとされたのです。当時のファンには寝耳に水、筆者も困惑したことをおぼえています。

『機動戦士Zガンダム』で登場したガンダリウム合金は、初期の「ガンダリウムα」を改良した「ガンダリウムγ(ガンマ)」として登場しました。特に生産性と使いやすさを向上させています。もともとはジオン軍残党が逃げ込んだ小惑星「アクシズ」で開発され、「シャア・アズナブル(クワトロ・バジーナ)」の手によって「アナハイム・エレクトロニクス」にもたらされました。

 そして、このガンダリウムを使用して作られた初めてのMSが、「RMS-099(MSA-099) リック・ディアス」になります。それゆえに「エゥーゴ」の指導者「ブレックス・フォーラ」は、本機を「γガンダム」と名付けようとしました。

 これを外観的な問題から異を唱えたクワトロが、宇宙用の機体を意味する「リック」と、喜望峰の発見者「バーソロミュー・ディアス」の「ディアス」を合わせ、リック・ディアスと名付けます。このクワトロの提案がなければ、宇宙世紀における「ガンダム」の定義は大きく変わっていたかもしれません。

 この流れを見ていくと、ルナ・チタニウムとガンダリウムの関係にひとつの仮説が立てられます。それは、ふたつの合金は同じものでないか、という仮説です。MSに詳しい人なら当然のように答えを知ってると思いますが、実はその通り、ルナ・チタニウムとガンダリウムは、基本的に同じ合金といって差し支えありません。

 それでは、どうしてふたつの名前があるのでしょうか。この問いに関して、実は明確な答えがありました。

■ガンダリウム合金の名前の由来とは?

「ガンダリウムγ」を使用した最初のMS。「HG 1/144 リック・ディアス(クワトロ・バジーナ機)」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ

『機動戦士Zガンダム』放送中、雑誌「アニメック」(ラポート)のインタビューで、編集者の「ルナ・チタニウムとガンダリウム合金は同じものと考えて良いか?」という質問に、富野由悠季総監督は肯定していました。おそらく製作陣としてはわかりやすい名称としてガンダリウムという単語を設定したのでしょう。

 これによりRX-78ガンダムに使用されたルナ・チタニウム=ガンダリウムαとなりました。一年戦争終結後、この合金をもとに「ガンダリウムβ」が開発され、さらなる改良を加えてガンダリウムγが開発されたというわけです。

 そのため、この名称変更にはいくつかの考察がなされています。放送当時に上記の雑誌編集者の考えでは、「一年戦争終結に多大な功績を残したガンダムの名を取って、使用された装甲材質をガンダリウムとした」とされていました。

 しかし近年では、まったく違う形で名称について語られたことがあります。実は小説およびアニメなどで展開された『機動戦士ガンダム Twilight AXIS』に登場する「アルレット・アルマージュ」が、ガンダリウムの開発に携わっていました。

 このアルレットが「ガンダムを超える」という意味合いを込めて名付けたのがガンダリウム合金です。アルレットはシャア直属のエンジニアであり、後に「MSN-04 サザビー」開発にも関わっていました。後付けではありますが、そういった経緯からシャアはガンダリウムγを使った初めてのMSに、「ガンダム」の名を使うことを避けたとも考えられます。

 もっとも作品によって異なる設定が混在しているのが宇宙世紀というもの。この設定も絶対ではなく、こういったものもある、くらいのスタンスで良いのかもしれません。

 ひとつだけ確かなことは、「ルナ・チタニウムは後にガンダリウムと呼ばれるようになった合金である」という点だけです。つまりガンダムというMSの突出した能力がゆえに、使われていた装甲に名前が付けられたということでしょうか。

 ちなみに『機動武闘伝Gガンダム』の舞台となる「未来世紀」でも、同名のガンダリウム合金が使われています。『新機動戦記ガンダムW』の「アフターコロニー(A.C.)」では「ガンダニュウム合金」、『機動新世紀ガンダムX』の「アフターウォー(A.W.)」ではルナ・チタニウムが、それぞれの「ガンダム」の装甲に使われていました。

 やはり「敵の攻撃が効かないほどの堅牢な装甲」は、ロボットアニメの定番であるといえるかもしれません。そういった意味ではガンダムに使われている装甲が、ガンダリウム合金というのもわかりやすいのでしょう。

(加々美利治)

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