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知ってた? 「ウルトラの母」の本名と”ツインテール”の意外な正体

マグミクス / 2024年8月17日 6時45分

知ってた? 「ウルトラの母」の本名と”ツインテール”の意外な正体

■「ウルトラの母」の本名知ってる?

「ウルトラマンシリーズ」に登場してきた数多くのウルトラ戦士のなかでも、「初めての女性ウルトラマン」として異彩を放っているのが、「ウルトラの母」です。このウルトラの母はいったい何者で、特徴的なあの「ツインテール」の正体は何なのでしょうか。

 ウルトラの母が登場したのは、「ウルトラマンシリーズ」第6作『ウルトラマンタロウ』です。『帰ってきたウルトラマン』当時、学年誌主導で「ウルトラ兄弟」の設定が生まれたのを皮切りに、次回作『ウルトラマンA』において明確にその設定が反映されました。『A』の第27話「奇跡!ウルトラの父」でウルトラの父の登場を経て、本作でその存在が明かされたウルトラの母は、ウルトラマンが「ファミリー」として結実した、その象徴的な存在だといえます。

 作中でも、ウルトラの母の存在は、大々的にアピールされており、第1話の初登場時ではシルエットでの登場に留め、学年誌においても「すがたはまだ分からない」と伏せ、視聴者の期待をあおり、第19話「ウルトラの母 愛の奇跡!」において本格的に登場するに至りました。

 キャラクターとしては、ウルトラ族を中心とする女性陣で構成された救護部隊「銀十字軍」の隊長職にあり、負傷したウルトラ戦士を瞬く間に治癒する「マザー光線」を駆使して医療活動に従事する一方、平時は光の国の病院「ウルトラクリニック78」の責任者を務めていると設定されています。

 劇中、『ウルトラマンタロウ』の「第19話ウルトラの母 愛の奇跡!」では、タロウがバードンに敗れた際に、光の国に移送して蘇生させる活躍を見せたほか、第25話「燃えろ! ウルトラ6兄弟」では、「ウルトラ大戦争」当時のウルトラの父との出会いがイラストで紹介され、そのバックボーンが掘り下げられました。

 近年では、映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』において両者の過去が映像化され、この際に「ウルトラウーマンマリー」の個人名が設定されたことでも話題となりました。とはいえ、ウルトラウーマンマリーの名称に統一されたわけではなく、商品名では「ウルトラの母(ウルトラウーマンマリー)」と表記されるなど、現在でも「ウルトラの母」の通称は、多くのファンに親しまれています。

 また、『タロウ』以後、『ザ☆ウルトラマン』のアミア、『ウルトラマン80』のユリアン、『ウルトラマンUSA』のウルトラウーマンベス、『ウルトラマンR/B(ルーブ)』のウルトラウーマングリージョなど、いわゆる「女性ウルトラマン」も多数登場しています。しかし、そうした性差に対しての線引きも全て、ウルトラの母の登場に端を発します。

■“ツインテール”の正体は?

「RAH リアルアクションヒーローズ ウルトラの母 1/6スケール 塗装済み可動フィギュア」(メディコム・トイ) (C)円谷プロ

 さて、初めての女性ウルトラマンとなるウルトラの母のビジュアルを見てみると、初代ウルトラマンを基本形とした頭部をはじめ、女性ならではのプロポーションも特徴的ですが、なんといっても目を引くのが頭部の「ツインテ―ル」です。

 もちろん、設定上、ウルトラマンに髪の毛が生えているわけではないので、正しくは「頭部の両サイドに付いたツインテールを思わせる板状の物体」とでもいうべきでしょうが、ここでは便宜上、ツインテールの呼称で話を進めさせていただきます。

 そもそも、ツインテールとは和製英語で、英語圏では一般的に豚の尻尾にたとえたPIGTAILと呼ばれており、日本におけるツインテールの語源は、一説には『帰ってきたウルトラマン』に登場した、古代怪獣ツインテールともいわれています。

 要は、ひと目で女性キャラだと分からせるためのデザイン上のアイコンとして付けられたわけですが、当時の母親像を思うと、幾分若々しいイメージです。

 さらに耳の後ろ当たりで髪の毛を束ねる、かつての「おさげ」とも異なり、高い位置から髪の毛を垂らしたような束ね方になっています。現在では「セーラームーン」や「初音ミク」などでもおなじみの髪型ですが、この時代においては、かなりの最先端を行っていたのではないでしょうか。

 そう思えば、2014年には商業施設のリニューアル記念で「史上最大のファッションモデル」と銘打ち、ウルトラの母がモデルとして起用されたことももっともな話です。

 なお、このツインテ―ルは、多くのウルトラ族を救った功績から授与された「銀十字勲章」との意味合いを持ちます。ウルトラの母にとって輝かしい栄誉の証なのです。また単なるデザインに終わらせず、そこにきちんと設定を付与している辺りも、「ウルトラマンシリーズ」の奥深さだといえるでしょう。

(田中一)

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