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『ガンダム』パイロットたちの「ふたつ名」なぜそう呼ばれる? 色や地名…役職由来も

マグミクス / 2024年8月20日 6時25分

『ガンダム』パイロットたちの「ふたつ名」なぜそう呼ばれる? 色や地名…役職由来も

■戦場で広まる「異名」「ふたつ名」に秘められたロマン

「ガンダム」シリーズ作品のなかには、さまざまな「異名」「ふたつ名」が登場します。そこまで作品に詳しくない人でも、「赤い彗星」や「白い悪魔」が誰のことを指した言葉なのか知っているのではないでしょうか。

 本名ではなく、いつの間にか定着した異名で通じることに、ロマンを感じる人も多いはずです。今回はガンダムシリーズで使われた、印象的な異名について振り返ります。

●色がモチーフの異名は定番中の定番!

「白い悪魔(ガンダム、アムロ)」や「赤い彗星(シャア)」のように、機体カラーやパイロットのパーソナルカラーがそのままふたつ名になるケースは定番です。

 たとえば黒や紫を基調にした機体に搭乗するジオン公国軍のエース部隊「黒い三連星」は、アニメ内でも活躍しました。「ガイア」「オルテガ」「マッシュ」が繰り出した奇襲戦法「ジェットストリームアタック」を覚えている人も多いことでしょう。

 また、『機動戦士ガンダム』の劇場版に登場した「青い巨星(青き巨星)」は、「ランバ・ラル」の異名です。一年戦争の前からラルのパーソナルカラーは「青」であり、自機を青く塗装していたことで知られています。

 なお、量産機であるモビルスーツ「グフ」のカラーが青い理由に、ラルの影響があったのかは不明です。ただしラルは、プロトタイプの頃から、グフのテストパイロットを務めていたのは事実です。

 ほかにもパイロットのパーソナルカラーがモチーフの異名として、MSVでおなじみの「白狼」こと「シン・マツナガ」(ドズルの部下で、ジオンのエース)、「真紅の稲妻」こと「ジョニー・ライデン」(キシリアの部下で、ジオンのエース)などもいます。

 ちなみに、「白い狼」と表記された場合はシン・マツナガではなく、『機動戦士ガンダムAGE』に登場する「ウルフ・エニアクル」の異名なのでお間違えなく。

●地名がモチーフの異名には紛らわしいモノも

 色だけでなく、場所や地名がモチーフになった異名も存在します。たとえば「木星帰りの男」と聞いて、誰を思い浮かべるでしょうか。

『機動戦士ガンダム』に登場した元祖「木星帰りの男」といえば、ダンディなニュータイプ「シャリア・ブル」です。そして『機動戦士Zガンダム』に登場した「パプテマス・シロッコ」も、やはり「木星帰りの男」の異名で呼ばれています。

 両者ともに、木星船団を率いた指揮官という点が共通しており、過酷な任務を成し遂げた男たちです。

 さらに「ソロモンの亡霊」や「ソロモンの悪夢」なども地名を冠する代表的な異名です。このふたつは混同されがちですが、「ソロモンの亡霊」は、『機動戦士ガンダム』でモビルアーマー「エルメス」のパイロットを務めた「ララァ・スン」の異名です。

 ララァは、ソロモン周辺にいた連邦艦艇を超長距離からエルメスのオールレンジ攻撃で襲ったため、このような異名で呼ばれるようになりました。

 そして「ソロモンの悪夢」は、OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場する元ジオンのエースパイロット「アナベル・ガトー」の異名です。一年戦争時のソロモンで、連邦の艦艇を多数撃沈し、この異名がつけられました。

 ほかには『機動戦士ガンダムSEED』に登場した「ムウ・ラ・フラガ」の「エンデュミオンの鷹」という異名も、地名がルーツです。ムウは、月面のエンデュミオン・クレーターで大戦果を挙げたため、英雄として称賛されました。

■複数のガンダム作品で「同じ異名」が登場することも!

DVD「新機動戦記ガンダムW 02」(バンダイナムコフィルムワークス) (C)創通・サンライズ

●異名「かぶり」は避けられない?

 ガンダムシリーズのなかでも、作品が違えば、同じ異名で呼ばれてしまうケースは十分にありえます。たとえば「死神」という異名は、ガンダムシリーズに限らず創作物では定番の異名といえるでしょう。

 OVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』に登場する「テリー・サンダースJr.」も「死神」の異名で呼ばれる男です。配属先の小隊が彼を残して全滅する、という悲劇が何度もあり、いつしか小隊を潰す「死神」と呼ばれるようになりました。

『新機動戦記ガンダムW』に登場する「デュオ・マックスウェル」は、「死神」のふたつ名を自称していた人物です。戦災孤児のデュオは、親しくしてもらった身近な人たちを亡くし、自分だけは生き残ったために「死神」と称するようになりました。

 ちなみにデュオの愛機「ガンダムデスサイズ」や「ガンダムデスサイズヘル」は、その名のとおり、まるで死神のような巨大な鎌を持っています(デスサイズ=death scythe=死神の大鎌)。

 長いガンダムシリーズの歴史のなかには、これ以外にも「死神」の異名で呼ばれた人物は多数いました。

 ほかにも「不死身」つながりの異名として、一年戦争で小隊からひとりも戦死者を出さなかった「不死身の第四小隊」(『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』)、奇跡の生還を連発した「不死身のコーラサワー」(『機動戦士ガンダム00』)、自らの死を望む「ミルラ・ドライド」の「不死身の殺人マシーン」(『機動新世紀ガンダムX』)といったものもあります。

 ポジティブな由来の場合は、戦場で異名のような呼び名が広まるのは光栄なことなのかもしれません。皆さんの心に今も残っているガンダム作品の「異名」には、どのようなものがあるでしょうか。

(大那イブキ)

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